臼蓋形成不全とは?痛みはある?治療法は?
「臼蓋形成不全」は、
足の付け根である股関節を形成する、
大腿骨側の「臼蓋」の形成不全です。
不完全な構造を呈している状態であり、
使い続けることで様々な症状や障害が生じます。
「臼蓋形成不全」とは、
股関節の構成要素である、
骨盤の「臼蓋」の部分の形成不全です。
本来「臼蓋」は、
大腿骨の骨頭を受け皿のようにして収めるために、
“お椀”のような形状を呈している部位です。
しかしながら、臼蓋形成不全になると、
臼蓋側が浅く、骨頭に対する被りが浅くなるのです。
このような不完全な構造の状態で、
酷使し続けることは、痛みなどの症状や、
二次的な疾患に発展する可能性もあります。
今回は、臼蓋形成不全の症状や治療法などを解説します。
→臼蓋形成不全に対する評価「CE角」と「Sharp角」って何?
臼蓋形成不全とは?
「臼蓋形成不全」は、
先天的あるいは、後天的な要因によって、
骨盤側の“臼蓋”の形態異常のことです。
大腿骨の骨頭を収めるには、
臼蓋の被りが浅く、
上方への亜脱臼や、関節中心のズレなどが生じます。
日本人を中心として、アジアなどの国々で好発しています。
成人男性の0~2%、女性の2~7%に臼蓋形成不全を認めます。
なお、臼蓋形成不全は、将来的に「変形性股関節症」に発展するリスクがあります。
日本の変形性股関節症患者の大半が、
臼蓋形成不全や、先天性股関節脱臼を有しているのです。
→変形性股関節症って治るの?原因や症状、治療方法とは?
→変形性股関節症におけるリハビリテーションの評価項目は?
臼蓋形成不全の症状は?痛みは出る?
臼蓋形成不全が存在していても、
特別症状が出なければ気がつかないこともあります。
そのため、症状が出現したら、病期が進行しているとも言えます。
その症状とは、【疼痛】です。
初期には、股関節を捻るような運動で軽い疼痛が出現します。
痛みが出現している時には、すでに臼蓋の軟骨の磨耗が進んでいます。
この軟骨の磨耗がさらに進んでくると、強い疼痛が出現するとともに、
関節の可動域制限や変形、脚長差などが出現します。
臼蓋形成不全の治療法は?
乳幼児期に生じる臼蓋形成不全は、
予防することが困難です。
多くは、先天性股関節脱臼と同様に、
「リーメンビューゲル」と呼ばれる固定装具を数ヶ月用いることで、
骨盤と大腿骨を良肢位に保ちます。
将来的に、変形性股関節症に発展した場合には、
“人工股関節全置換術”などの人工関節手術が主流となります。
→変形性股関節症の手術療法とは?どんな種類や方法がある?
→変形性股関節症や人工股関節全置換術後のリハビリテーションとは?
まとめ
今回は、臼蓋形成不全の症状や治療法などを解説しました。
幼少期に罹患し、適切な治療を施工しても、日本人特有の生活スタイルなどが股関節への負担を増加させると言われています。
そのため、幼少期のスポーツの実施などは、医師などのアドバイスのもと、正しい方法で行っていく必要があります。
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