先天性股関節脱臼の後遺症とは?
「先天性股関節脱臼」とは、
赤ちゃんに生じる股関節疾患です。
早期発見・早期治療が重要であるとされ、
その治療の如何によっては、
後遺症が生じることもあるため、注意は必要です。
「先天性股関節脱臼」とは、
骨盤側の“臼蓋”に対して、
大腿骨側の“骨頭”がうまく適合していない状態です。
多くは、臼蓋側に問題があり、
“臼蓋形成不全”によって先天性股関節脱臼が生じるのです。
ただし、「脱臼」とは言っても、完全に外れているのではなく、
実際には、「亜脱臼」程度の状態です。
“先天性”と名がつくものの、
多くは、「後天的」な要因で発症します。
生後の不良肢位との関係が強いとされ、
男児よりも女児に好発します。
原因や症状、治療に関する記事はこちら
→先天性股関節脱臼とは?原因や症状、治療方法とは?
代表的な治療法は、「装具療法」であり、
“リーメンビューゲル”と呼ばれる装具によって、
良肢位での固定を行います。
数ヶ月の固定によって、治療は完了しますが、
発見の遅れや不十分な治療においては、
後々後遺症が発生することもあるので注意が必要です。
先天性股関節脱臼の症状とは?
まず、先天性股関節脱臼が生じるとどのような症状が生じるかを解説します。
先天性股関節脱臼は、
「骨盤側の“臼蓋”に対して、大腿骨側の“骨頭”がうまく適合していない状態」
とされるため、その症状としては、
・左右の脚の長さが違う
・足が外に開かない
・太もものシワの数が違う
・動かした際に「クリッ」と音がする
・足を引きずる
などの症状が観察されます。
早ければ生後2〜3ヶ月で明らかになってくる場合もあるようです。
先天性股関節脱臼の後遺症とは?
先天性股関節脱臼の後遺症には、
前述した症状がそのまま残る場合、または再度出現する場合があります。
装具療法による治療が功を奏さなかったと考えられる前者の場合は、
生後7ヶ月頃に「牽引療法」が、
2歳以上で歩くことができない場合は、「手術療法」が施行されます。
一方で、後者の場合は、例えば、小・中学生になって再度症状が出現する場合があります。
その場合は、「手術療法」などを再度検討しなければなりません。
さらに、大人になってから後遺症が出現することがあります。
それは、【変形性股関節症】です。
先天性股関節脱臼を有しているからといって、必ずなるわけではありません。
ただし、変形性股関節症の約8割程度が先天性股関節脱臼を有しているのです。
変形性股関節症に関する記事はこちら
→変形性股関節症って治るの?原因や症状、治療方法とは?
→変形性股関節症の手術療法とは?どんな種類や方法がある?
→変形性股関節症や人工股関節全置換術後のリハビリテーションとは?
まとめ
先天性股関節脱臼の後遺症についてまとめました。
将来的に、【変形性股関節症】が生じる可能性があるのです。
だからと言って、明確な予防法があるわけではありません。
大事なことは、早期発見のための観察力です。
赤ちゃんの時期だけでなく、整復後も注意深く観察していく必要があるでしょう。
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