腰椎圧迫骨折後の安静期間はどのくらい?骨癒合やコルセット装着期間との関係は?
「腰椎圧迫骨折」は、
骨粗鬆症などの原疾患を基盤として、軽微な転倒によって生じる骨折です。
超高齢社会を迎える現在、
ますます「腰椎圧迫骨折」の治療に対する注目は高まっています。
「腰椎圧迫骨折」は、
軽微な転倒(多くはしり餅)や、重量物の運搬によって生じる、
脊椎(腰椎)の圧壊による骨折です。
骨粗鬆症などを有する高齢者に多く、
一度生じると再発例も多く、
超高齢社会を迎える今、要介護状態の主要な原因の一つと言えます。
「腰椎圧迫骨折」の治療方法は、
原則として【安静】が強いられます。
ここでいう安静とは、
仰向けで寝ていることであり、起きて座ったり、立つことを禁じることです。
脊椎に対する重力によって作用する鉛直方向からの圧迫を回避し、さらなる圧壊を防ぐためです。
しかしながら、
ただでさえ高齢者が罹患しやすい疾患であるため、
長期間の安静は筋力や体力の低下に直結し、それこそ要介護状態になり得るリスクを抱えています。
では、実際に行われる「腰椎圧迫骨折」後の安静期間とはどれくらいに定められているのでしょうか?
また骨癒合との関係や、受傷後より装着するコルセットの装着期間についても解説します。
「腰椎圧迫骨折」術後の安静期間はどのくらい?
「腰椎圧迫骨折」後は、
保存療法が基本であり、通常ベッド上での【安静】が強いられます。(重症度によっては手術療法の場合もある)
これは、受傷早期の荷重によってさらなる圧壊の悪化を生じてしまわないようにするためです。
事実、骨癒合までの間の荷重によって圧壊が進行するという報告もあるようです。
しかしながらその【安静】期間に関して、
標準化された期間はなく、各病院の方針によって決まります。
ただ、多くの病院では、
2週間の安静期間を強いる場合が多く、
コルセットを着用し臥床します。
この2週間の臥床の間に骨は癒合するのでしょうか!?
実際にはこんなに早くは骨癒合はしないそうです。
しかしながら2週間程度の臥床で疼痛が軽減することや、
先ほどの圧壊の進行の防止に対して2週間が適当であると言われています。
当然個人差はありますし、
多少疼痛が出現しようとも高齢者は活動量の低下がより重篤な廃用症候群を招くために、
これ以上の期間の臥床も危険となるのです。
「腰椎」の骨癒合までの期間は?
では、実際に骨癒合するまでにはどれくらいの期間が必要なのでしょうか!?
骨折後は徐々に仮骨が形成され、
おおよそ8~12週で骨癒合するそうです。
前述したように2週間で離床をしたとしても、
その際にはまだしっかりと癒合しているわけではないので、
しっかりコルセットを装着するなどまだまだ油断は出来ない時期なのです。
「腰椎圧迫骨折」後のコルセットの装着期間は?
では、受傷後に装着するコルセットの装着期間はどれくらい行う必要があるのでしょうか?
前述のように腰椎の骨癒合までの期間は8~12週程度とされています。
しかしながら、ただでさえ骨が弱いことや、再発防止に向けておおよそ半年程度は行うことが良いとされています。
ここら辺は骨癒合の個人差や、骨粗鬆症の程度、活動量によっても異なるので、
必ず担当の主治医に確認するようにしましょう。
そもそも「腰椎圧迫骨折」とは?
「腰椎圧迫骨折」とはどのような疾患なのでしょうか!?
詳しくは、こちらの記事を参照してください!
→腰椎圧迫骨折とは?原因や症状、治療方針は?
→腰椎圧迫骨折の診断や判定方法は?分類方法はある?
「腰椎圧迫骨折」のリハビリテーションに関する記事はこちら!
→腰椎圧迫骨折のリハビリテーション方法や禁忌事項とは?
→腰椎圧迫骨折におけるリハビリテーションの評価項目は?
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