「ベーカー嚢腫」ってどんな病気?原因や症状、治療法は?
「ベーカー嚢腫」
あまり聞きなれない疾患名かと思います。
膝の裏側に生じた腫脹や違和感は、
もしかすると、「ベーカー嚢腫」かもしれません。
「ベーカー嚢腫」とは、
“膝の裏側に腫脹が形成される疾患”です。
膝の後ろにある滑液包と呼ばれる袋が、
炎症によって腫れ上がり、ゴルフボール大の塊が出現します。
これは、滑液包に産生された関節液が過剰となった場合に見られるもので、
痛みを伴うことがあります。
「ベーカー嚢腫」は、
50歳〜70歳の女性に好発しますが、
中には5歳前後の子供に生じることもあります。
今回は、比較的稀な疾患ではありますが、「ベーカー嚢腫」の原因や症状、治療法などについて解説します。
「ベーカー嚢腫」はどこに出来るの?
「ベーカー嚢腫」は、
膝の裏側にある、滑液包の炎症によって、腫脹が生じる疾患です。
ゴルフボール大の塊ができることもあり、
“膝窩嚢胞”とも呼ばれています。
なお、滑液包というのは、関節を動かす際に、腱や靭帯などの摩擦を軽減する潤滑剤として働く、”関節液”が入った袋です。
「ベーカー嚢腫」の原因は?
「ベーカー嚢腫」は、
滑液包の中に、過剰に産生された“関節液”が貯留することで生じます。
その原因は、多岐に渡りますが、
膝関節の機械的なストレスなどによるものとされています。
以下のような疾患または、症状を有する場合には、膝の裏に過剰なストレスを生じやすいとされます。関節面の疲労の蓄積や新陳代謝の衰えが、過剰な関節液の産生に関係するのです。
・変形性膝関節症
・外反母趾
・関節リウマチ
・膝の過伸展
などが挙げられます。
それぞれの疾患の特徴はこちら
【変形性膝関節症】
→変形性膝関節症(膝OA)とは?治る疾患なの?リハビリテーションの内容は?
→変形性膝関節症の手術療法「TKA」とは?他にも手術の種類があるの?
【関節リウマチ】
→関節リウマチってどんな疾患?その原因や症状、治療方法は?
→関節リウマチに生じる合併症とは?
【外反母趾】
→外反母趾とは?その原因は?
→外反母趾の治療方法とは?リハビリテーションで改善する?
「ベーカー嚢腫」の症状は?
「ベーカー嚢腫」は、
膝の裏の“腫脹”が主な症状ですが、
場合によっては、”圧痛”が生じます。
また、疼痛はなくとも膝を曲げた際の“違和感”などが生じることがあります。
ごく稀ではありますが、滑液包の内圧が高まることで、破裂を起こし、静脈炎などを併発することもあります。
「ベーカー嚢腫」の治療法は?
「ベーカー嚢腫」の治療方法は、
関節液の“穿刺”を行なうことで、内容物を除去することです。
実際には注射器を用いて、吸引を行いますが、
一度だけでは収まらず繰り返し行う必要がある場合もあります。
このような方法で改善が得られない場合、
または症状が重度の場合には、手術療法にて滑液包を除去することもあります。
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