「ウィンドラス機構」と「トラス機構」とは?その機能や役割は?
“足”というのは、
人間が歩行する上で唯一直接的に床と接する部位である。
それ故に、進化の過程においても非常に機能的な変化を遂げてきたとされる部位である。
その中でも代表的な足部機能に、
「ウィンドラス機構」
「トラス機構」
があります。
「ウィンドラス機構」
「トラス機構」
それぞれの機能を解説する前に、
簡単に“足”について解説します。
ヒトは1日平均で両側合わせると、
7,500回もの床からの反力を受けているそうです。
これが一生ともなると何万トンというもの衝撃を受けなければなりません。
“足”は人間の二足歩行において、
唯一床と接する部分であり、
床からの情報を入力するとともに、身体を支持するのに適した構造である必要があります。
そのため、進化の過程においても機能的な変化を遂げたと言われています。
このように、多くの反力を床から受けながら、
かつ身体を支持するために足部に求められる機能として、
大きく分けて、
①安定性
②衝撃の吸収
が要求されます。
実は、この二つの機能を有しているのが、
「ウィンドラス機構」と「トラス機構」なんです。
そこで今回は、両者の特徴や役割を解説します。
「ウィンドラス機構」とは?
「ウィンドラス機構」とは、足部の安定性を保証する機能です。
別名:巻き上げ機構
とも言います。
足底面には、
母趾や足趾の屈曲を担う足先まで伸びる筋肉や、
踵から足先まで伸びる足底腱膜が存在します。
これらの筋肉や腱膜は、
母趾や足趾の伸展によって緊張し、
足部の剛性を高めることで、足部の構造的な安定を保証します。
実際の動作を例にとると、
歩行におけるターミナルスタンスからプレスイングや、
ジャンプなどの強い蹴り出しの際に、
グシャッと潰れたりせずに、安定した身体の土台を作り出すのです。
(図:「足部・足関節疾患の理学療法における足底挿板」より)
「トラス機構」とは?
「トラス機構」とは、足部が床と接する際の衝撃を吸収する機能です。
足部には、
・内側縦アーチ
・外側アーチ
・横アーチ
が存在し、それぞれがいくつかの筋や腱によって構成されています。
このアーチ構造は、
足部が床面に設置する際に、身体の重さによって潰れますが、
その際に足底腱膜が伸長されることによって衝撃を吸収するのです。
(図:「足部・足関節疾患の理学療法における足底挿板」より)
「ウィンドラス機構」や「トラス機構」の機能低下によるトラブルとは?
「ウィンドラス機構」や「トラス機構」それぞれの機能や役割を解説しました。
実際の歩行場面においては、
IC(イニシャルコンタクト)から、MS(ミッドスタンス)における「トラス機構」による衝撃吸収、
TSt(ターミナルスタンス)からPSw(プレスイング)における「ウィンドラス機構」による足部の安定
が機能しているのです。
これらの機能が低下することによって、
歩行における正常な運動が出現しにくいことはもちろんのこと、
足の構造上の破綻は、
扁平足や、外反母趾のような疾患に発展するリスクもあります。
外反母趾についての情報はこちら
→外反母趾とは?その原因は?
→外反母趾の治療方法とは?リハビリテーションで改善する?
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