骨折の治癒「骨癒合」の促進方法は?
過去に骨折を受傷したことのある人はどれだけいるでしょうか!?
非常に強い「疼痛」を呈すため、自ら経験したいなんて人は少ないでしょう。
骨折の治癒過程は、概ね皆共通ですが、その速度には個人差があります。
「骨折を早く治したい!」
そんな時に骨癒合を促進する方法を実践しましょう!
「骨折」とは、
“骨自身の強度を超える外力によって生じる関節変形や破壊が生じた病態”
です。
構造の連続性が絶たれた状態のことを言います。
しかしながら、一概に骨折と言ってもその原因や程度、
骨折線の入り方などによって様々な分類があります。
骨折の種類に関する記事はこちら
→骨折とは何か?骨折の種類とは?
骨折の治癒過程は、
概ね決まった過程をたどります。
骨の「リモデリング」と呼ばれ、
骨の吸収と骨の形成を繰り返しながら、新たな骨に新生していく過程となります。
ただし、骨折の部位や程度によって骨癒合の速度に違いがあります。
それだけでなく、
年齢や併存疾患、体力などによっても変化を受けるのです。
現在では、骨折に対する手術療法の進歩に伴い、
早期からのリハビリテーションが可能となりました。
誰でも、少しでも早い社会復帰を目指してリハビリテーションを行うわけですが、
骨癒合を早めるためには、幾つかの方法があります。
そこで今回は、「骨癒合」の促進方法について解説します。
骨癒合の促進方法は?
多くの骨は何もしなくても、自然治癒力によって治癒します。
しかしながら、少しでも早い骨癒合を目指すのであれば、幾つかの方法があるのです。
それは以下のような方法です。
・適度な荷重による圧迫刺激
・超音波療法
・電気刺激療法
・適度な患部外の関節運動
なお、このような方法が有効となるのは、骨折した骨同士が接合している状態であることに注意しましょう。
適度な荷重による圧迫刺激
適度な圧迫刺激は骨癒合に有効とされています。
ただし注意しなければならないのは、
「骨の長軸方向からの圧迫」です。
むやみに押したりしても意味はないです。
そのために重要な圧迫刺激となるのが【部分荷重】です。
適切な荷重量は医師の指示に従い、補助具などを用いて実施します。
はじめは、平行棒の中で体重計などを見て荷重量を確認しながら実施します。
徐々に松葉杖や一本杖などへ移行しますが、荷重量の目安として、
両松葉杖:50%
片松葉杖:66%
一本杖:75%
程度となるので、
これらの歩行補助具を用いるのは、よほど回復期の場合です。
超音波療法
超音波療法による低出力の超音波は、骨癒合を促進します。
手術後早期から可能であることや、その効果の高さから使用頻度は非常に高いです。
なお、骨癒合期間を40%近くも短縮できるという報告もあります。
骨折のズレが大きい場合は、筋肉や靭帯などの癒着が強い場合などの
「難治化」の場合に特に効果を示します。
具体的には、1MHz程度の低出力音波を患部にあて、
1日20分程度、治療器をあてがうだけなので、
痛みなどを感じずに空いた時間に手軽に行うことができます。
電気刺激療法
電気刺激療法は、治療的電気刺激<TES(Therapeutic Electrical Stimulation)>と呼ばれ、
骨癒合を促進する効果が報告されています。
特に、仮骨形成前の炎症期での実施により、
疼痛や骨形成に良好な結果が得られると言われています。
適度な患部外の関節運動
骨癒合前の患部に対する運動は禁忌の場合が多い為、
医師に十分に確認する必要があります。
一方で、患部外の関節運動は、患部に対する血液循環を促進します。
骨癒合の条件として、前述したような「骨折部の接合」がありますが、
その他にも「十分な血流」が必要なのです。
血流があることによって、
骨の新生に必要な栄養が供給されるからです。
注意が必要な骨折の合併症
→骨折によって生じる合併症とは?
小児に特有の骨折はこちら
→小児の骨折の特徴とは?
まとめ
今回は、「骨癒合」の促進方法について解説しました。
骨癒合を待つ間も、安静生活不動が良いと呼ばれる時代は終わりました。
積極的に骨癒合を促進し、早期の社会復帰を目指しましょう。
スポンサーリンク