膝蓋骨骨折に対する手術療法とは?どんな方法がある?
膝蓋骨とは、
膝の前面に存在している人体最大の種子骨です。
一般には、「膝のお皿」なんて呼ばれ方をしています。
膝蓋骨を骨折した場合、その重症度によって
【手術療法】が選択されます。
膝蓋骨とは、
膝の前面にある丸い骨で、膝のお皿とも呼ばれています。
上端には「大腿四頭筋」が付着しており、
膝を支点としたテコの役割によって、膝の伸展筋力を補助する役割を持ちます。
膝蓋骨の骨折は、全骨折の中の1%を占めると言われています。
あまり馴染みはないかもしれませんが比較的頻度は多いと言えるでしょう。
多くは、
転倒や転落、交通事故、スポーツ外傷による【直達外力】によって生じます。
一方で、大腿四頭筋の強力な牽引力によって離開する【介達外力】によるものも存在します。
詳しくはこちら
→膝蓋骨骨折とは?原因や症状、その治療方法は?
いずれの場合においても、
骨折のタイプや重症度によって
・保存療法
・手術療法
のどちらかの治療法が選択されます。
手術療法の場合、様々な方法が考案されています。
・ワイヤー締結法
・Zuggurtung法
・compression osteosynthesis
・骨螺子固定
・周辺部分縫合法
・膝蓋骨部分、または全摘出法
などがあります。
今回は、その中でも、主流として行なわれているZuggurtung法について解説します。
膝蓋骨骨折に対する手術療法の適応は?
膝蓋骨骨折に対する治療法は、冒頭にも述べたように、
・保存療法
・手術療法
に大別されます。
保存療法に対する治療はこちら
→膝蓋骨骨折の保存療法に対するリハビリテーション方法は?
一般に、
「転位があるか?」によって分類され、転位がある骨折とは、
“3mm以上の骨折転位及び2mm以上の関節面の段差”
と定義されます。
転位がある場合に、【手術療法】が適応となります。
「zuggurtung法」とは?
膝蓋骨骨折に対する手術療法の中で、
もっとも主流となっている方法は、
「zuggurtung法」と呼ばれています。
別名、Tension band wiring法とも言うそうです。
「zuggurtung法」は、
もっとも頻度の高い横骨折や軽度の粉砕骨折に対して適応となります。
骨折型の分類はこちらで確認を
→「膝蓋骨骨折」骨折型の分類とは?
「zuggurtung法」の基本原理は、
骨折部に働く張力に対する制御であり、張力を圧迫力へ変換するのです。
このことによって骨癒合を促進するのです。
どういうことかというと、
膝関節が屈曲する際に、膝蓋骨には離開する方向への張力が加わります。
もちろんワイヤーなどで固定した部分は離開しません。
大腿骨膝蓋面からは、膝蓋骨に対して軸方向への圧が加わり、骨折面が圧迫されるのです。
「zuggurtung法」は、外固定の必要性もなく、早期より運動療法が可能となります。
ただし、その際には、膝関節伸展時に作用する離開ストレスに注意が必要であると言われている。
比較的治療成績も良く、予後も良好であるとされている。
手術後のリハビリテーションはこちら
→膝蓋骨骨折に対する手術療法後のリハビリテーションとは?
まとめ
今回は、膝蓋骨骨折に対する手術療法として主流となっている
Zuggurtung法について解説しました。
骨癒合の促進や早期からの運動を可能にする画期的な方法です。
これらの基本原理と、膝関節運動をきちんと把握しながら、運動療法を進めていく必要がありそうですね。
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