有痛性外脛骨とは?原因や症状、治療法は?治る病気?
「外脛骨」という“骨”を知っていますか!?
医療従事者においても聞き馴染みがない人が多いのではないでしょうか。
それもそのはず、すべての人に存在するわけではない骨です。
しかも、その「外脛骨」によって生じる疾患の一つに、
【有痛性外脛骨】という疾患があります。
有痛性外脛骨とは、
“足の舟状骨の内側に存在する余剰な骨に生じる疼痛”です。
この余剰な骨こそが「外脛骨」と呼ばれます。
一般に、医療従事者であっても知らない人も多く、
通常の解剖学の中では存在しません。
なぜなら余剰な骨ということで、
万人に存在する骨ではないからです。
「外脛骨」は、
15〜20%の人に認められ、
足の内側に出っぱるように存在することから痛みを伴うことが多いです。
これを、【有痛性外脛骨】と言います。
今回は、この有痛性外脛骨について原因や症状、治療方法を解説します。
「外脛骨」ってどんな骨?
外脛骨は、
足の舟状骨の内側に存在する“余剰骨”です。
日本人では、約5人に1人の割合で認められます。
外脛骨が存在していても疼痛がなければ特に問題ありません。
舟状骨、もしくは外脛骨には、
「後脛骨筋」と呼ばれる筋肉が付着します。
後脛骨筋は、
収縮し緊張することで、
足の“内側アーチ”を形成する重要な筋肉です。
有痛性外脛骨の原因は?
有痛性愛脛骨の原因となるのは、
靴による圧迫や繰り返される捻挫によって発症します。
そのため、スポーツ外傷の一つとして数えられます。
このような繰り返される外傷に加えて、
疲労など、後脛骨筋の過剰な筋緊張は、
付着部である外脛骨を引っ張り、炎症を生じさせるのです。
場合によっては、
外脛骨は舟状骨から剥がれるような形になって
発症することもあるのです。
有痛性外脛骨の症状は?
有痛性外脛骨の症状が生じるのは、
主にスポーツ活動の後です。
外脛骨部の熱感や腫脹、疼痛などの基本的な炎症症状が出現します。
激しい痛みではないため、
歩行などは可能な場合が多いです。
炎症に対する処置はこちら
→RICE(ライス)処置とは?その目的や効果は?
有痛性外脛骨って治るの?治療法は?
有痛性外脛骨の治療法は、
まず、現在行っているスポーツや運動を中止することです。
患部に負荷をかけないことです。
保存療法の中心としては、
・投薬による疼痛コントロール
・足底板の装着
などが挙げられます。
特に足底板では、“アーチサポート”などを用いて、
物理的に内側縦アーチを形成し、後脛骨筋の牽引力を緩めることが重要です。
また、適切な靴を選択することも重要となります。
このような保存療法で効果が得られない場合には、
手術療法が行われることもあります。
手術療法では、
外脛骨を摘出し、舟状骨の突出部を骨切りします。
これにより、疼痛の消失に期待できます。
まとめ
今回は、この有痛性外脛骨について原因や症状、治療方法を解説しました。
多くの場合、扁平足を伴っていることがあり、
そのような足部の人は注意が必要ということです。
適切な内側アーチを形成するための筋力訓練やアーチサポートなどの装具療法が
予防の観点からすれば重要といえるでしょう。
余剰骨が原因の障害はこちらも
→「有痛性三角骨障害」とは?手術で治る?日ハム大谷選手も…
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