膝蓋骨骨折(膝のお皿)は入院が必要?折れていても歩けるの?
“タンスやローテーブルの角に膝を強打”
考えただけでも痛そうですが、多くの人が経験があると思います。
このような条件だけでなく、転んで床に膝を強打した場合には、
膝蓋骨の骨折(膝のお皿の骨折)が生じることがあります。
「膝蓋骨骨折」とは、
いわゆる膝のお皿である膝蓋骨の骨折です。
転倒による強打や、衝突などによる外力によって生じることがほとんどであり、
明らかな腫脹や疼痛を伴います。
「あれっ、膝をぶつけて青くなってるけど折れてるの..?」
程度の場合であれば大抵は折れてはおらず打身程度でしょう。
このような膝蓋骨を骨折した場合は、
どのような治療が必要となり、その場合は入院は必要なのでしょうか?
また、
「膝のお皿は折れていても歩ける」
なんて聞くこともありますが、これは本当なのでしょうか?
膝蓋骨骨折に関する基本的な知識はこちらも参考にして下さい!
→膝蓋骨骨折とは?原因や症状、その治療方法は?
→「膝蓋骨骨折」骨折型の分類とは?
膝蓋骨骨折では入院は必要か?
まず膝蓋骨骨折に対する治療法は大きく分けて二つあります。
それが、
・手術療法
・保存療法
かということです。
この方針によって入院期間が大きく変わる、もしくは外来通院でも良い場合もあります。
まず、手術療法が適応となる場合は、
一般に転位を伴う骨折の場合です。
転位がある場合は自然治癒は難しく、そのまま手術を要すため入院での治療が必要となります。
詳しい手術方法などはこちらを参照下さい!
→膝蓋骨骨折に対する手術療法とは?どんな方法がある?
一方で、転位を伴わない膝蓋骨骨折の場合は、
保存療法が適応となることがあります。
保存療法とはいわゆる自然治癒の中で治していくということです。
ただし、普通に生活していれば治るというわけではありません。
膝蓋骨は解剖学的な特徴上、上部に大腿四頭筋と呼ばれる強力が筋肉が付着しています。
この筋肉が作用してしまうと、骨折した膝蓋骨に離開ストレスが加わり、転位を誘発してしまうことがあるのです。
詳しい解剖学的知識はこちら
→膝蓋骨骨折とは?膝蓋骨の解剖や機能とは?
そのため、保存療法の場合、骨が癒合するまではニーブレースと呼ばれる膝伸展固定装具の装着が必要となります。
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このニーブレースを着用すると、
膝が常に伸展位を保つため膝の屈伸が制限されますが、装着下でも歩行可能であり、生活が可能な人は入院治療ではなく外来通院でも可能な場合があります。
膝蓋骨を骨折していても歩けるの?
ここまでの記事を読んで勘の良い人ならお分かりでしょう。
実は膝蓋骨骨折をしていても歩くことは可能なんです。
ただし、いくつか条件があります。
まず、炎症症状がピークであまりにも痛みを伴う場合(転位のある骨折の場合なども)は、
そもそも足を動かすだけでも激痛が生じて歩くことは困難でしょう。
ある程度疼痛も消失していたり、
保存療法が適応となるような転位の少ない、または亀裂程度の骨折の場合、
前述したように膝を伸展位で固定することによって骨折部への負担が最低となり、
歩行することが可能な人もいるのです。
もちろん一瞬でも膝を曲げて歩いたりしてしまえば、
転位を誘発したり、激痛が走ったりする場合もあるので要注意です。
まとめ
今回は、膝蓋骨骨折(膝のお皿)をした場合に入院は必要か?
また、折れていても歩くことはできるのか?
などについて解説しました。
基本的に転位がなく、手術適応ではなく保存療法が選択される膝蓋骨骨折に関しては、
ニーブレースなどの伸展固定装具を着用することで歩くことは可能であり、
また入院せず外来でも対応が可能となります。
ただし、その間に膝関節屈曲(曲げる)方向の可動性は徐々に失われ、
将来的に膝が曲がらないという後遺症も残しかねないので、
その間のリハビリテーションなどの併用が非常に重要となります。
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