「アキレス腱断裂」に対する手術療法とは?
「アキレス腱断裂」は、
主にスポーツなどで生じる外傷であり、
アキレス腱に対する過度な伸長刺激が誘因となります。
重症度にもよりますが、
代表的な治療方法の一つに【手術療法】があります。
「アキレス腱断裂」は、
文字通り、踵の上部に位置にするアキレス腱の断裂です。
アキレス腱断裂の受傷機転となるのは、
スポーツなどで急激な方向転換やジャンプ動作が引き金となって、
アキレス腱に強力な伸長刺激が加わった時です。
このようにアキレス腱が断裂する原因として、
アキレス腱自体の伸長性低下が挙げられ、
準備運動不足や日頃の運動不足などの要因があります。
アキレス腱断裂の治療方法には、
・保存療法
・手術療法
があります。
部分断裂で、かつ治療時間が比較的長く取れる場合などに適応となります。
一方で、完全断裂で、競技復帰を目指す場合などは、
【手術療法】が適応となります。
そこで今回は、「アキレス腱断裂」に対する手術療法とは?
アキレス腱断裂に関する基本的な知識はこちら
→アキレス腱断裂とは?原因や症状、その治療方法は?
アキレス腱断裂の手術療法とは?
アキレス腱断裂の手術療法は、
完全断裂などの場合や、早期の競技復帰を目指す場合などに適応となります。
また、保存療法に比して、再発率が低いというメリットがあり、
再断裂率は、
手術療法:1.7~2.8%
保存療法:10.7~20.8%
とされています。
そのため、スポーツ選手などでは、一般的に手術療法が選択される場合が多いです。
手術療法と一概に行っても、
幾つかの種類があります。
代表的な方法は、
・経皮縫合術
・直視下縫合術
に分けられます。
これらの分類は、皮膚を切開するか、しないかの分類であり、
縫合のやり方を含めれば、もっともっと細分化されます。
経皮縫合術
経皮縫合術は、皮膚を切開せずにアキレス腱を縫合する方法です。
実際には、皮膚の上から4か所に穴を開け、
その穴の中から操作します。
手術侵襲が少ないことがメリットであり、
実際に手術時間は15分程度であり、局所麻酔で行うことが可能です。
ただし、最近では、経皮縫合の割合は数%程度となっています。
直視下縫合術
直視下縫合術とは、皮膚を切開して直視下で確認しながら、
縫合糸を使って断裂部を接合する手術です。
近年では多くがこの方法で行われており、
再断裂のリスクが少なく、回復も早いと言われています。
ただし、術後は適切な【リハビリテーション】を実施しなければ、
皮膚や腱のつっぱりや、足首の関節可動域制限が残存する場合があるので、
理学療法士などの専門家の指導の元、運動療法を進めていきましょう。
まとめ
今回は、「アキレス腱断裂」に対する手術療法について解説しました。
手術療法にはメリットが多く、競技復帰する場合などには有効な手段といえるでしょう。
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