人工骨頭置換術とは?モノポーラ型とバイポーラ型の違いは?
「人工骨頭置換術」は、
大腿骨の骨折を受傷した際など適応される手術です。
大腿骨の骨頭部分を金属あるいは、セラミックで出来た、
人工の骨頭に置換する手術です。
「人工骨頭置換術」は、
主に、大腿骨頸部骨折や、大腿骨頭壊死などによって、
大腿骨頭への栄養血管が絶たれた際に行われる手術療法です。
→大腿骨頸部骨折とは?原因や症状は?治療方針は?
→大腿骨頸部骨折の手術療法の種類は?人工骨頭置換術とは?
大腿骨頸部骨折に対して、
人工骨頭置換術が用いられるか否かは、
【Garden分類】によって判定されます。
多くは、StageⅢもしくはⅣが人工骨頭置換術の適応となります。
人工骨頭置換術後の運動療法を行う際には、その術式や機種を確認する必要があります。
現在の人工骨頭置換術の機種は、
【バイポーラ型】の使用頻度が高いと言われています。
今回は、人工骨頭置換術に用いられるモノポーラ型とバイポーラ型の違いを解説します。
人工骨頭の構成は?
人工骨頭は、金属やセラミックなどの素材で構成されています。
主な、構成要素は、
・ステム:大腿骨に埋め込まれる芯となる部分
・インナーヘッド:ステムの首のように細くなった部分
・アウターヘッド:インナーヘッドの上に被さる部分
で構成されています。
(モノポーラ型の場合は、インナーヘッドはなし)
人工骨頭の種類は?
人工骨頭には、大きく分けて
・モノポーラ型(monopolar)
・バイポーラ型(bipolar)
に区別されます。
モノポーラ型(monopolar)
モノポーラ型は、
ステムとインナーヘッドで構成されており、
単純に大腿骨の頸部から骨頭を模した人工物です。
バイポーラ型(bipolar)
バイポーラ型は、
アウターヘッドの中にインナーヘッドを有し、
・臼蓋とアウターヘッド
・アウターヘッドとインナーヘッド
の二カ所の間で可能性を確保する構造です。
軟部組織や筋の影響などを受けやすい、
臼蓋とアウターヘッドの間の可動性が失われたとしても、
アウターヘッドとインナーヘッドの間で可動性が保たれるシステムとなっているのです。
事実、臼蓋とアウターヘッドの間の可動性は少なく、
アウターヘッドとインナーヘッドの間で多くの可動性を有しているのです。
言い換えると、アウターヘッドとインナーヘッドの間の可動性の最終域にて、臼蓋とアウターヘッドの間の可動性が追加されるのです。
→大腿骨頸部骨折の手術後のリハビリテーションの内容は?期間はどのくらい?
→大腿骨頸部骨折とは?原因や症状は?治療方針は?
まとめ
今回は、人工骨頭置換術に用いられるモノポーラ型とバイポーラ型の違いを解説しました。
現在では、多くの場合、バイポーラ型が使用されています。
ちなみに、コスト面ではバイポーラ型の方が高く、適応を考慮しながら、モノポーラの使用も見直されている一面もあるようです。
身体表面から見える運動機能だけでなく、このような機種の特性を十分考慮した関節可動域訓練などの運動療法を提供することが極めて重要となります。
スポンサーリンク