「肩甲骨骨折」とは?原因や症状、治療方法は?リハビリでは何をやるの?
“肩甲骨”は、
背中側にある左右両側に存在する骨です。
誰でも肩を動かそうとすれば、
肩甲骨も動かすことが出来るほどに自由に動かすことができます。
そんな肩甲骨も、
頻度は低いものの、骨折することがあります。
「肩甲骨骨折」とは、
文字通り“肩甲骨”の骨折です。
下肢の骨折とは違い、
特別な外傷がない限り骨折することはありません。
交通事故や転落などによって強打することが受傷機転となり、
大きな痛みを伴うとされます。
このような原因で骨折するため、
単独で骨折することは珍しく、
通常は肋骨などの骨折を伴います。
→「肋骨骨折」の原因や症状、治療方法とは?完治期間はどれくらい?
冒頭に述べたように、
自由度の高い骨だけに、
治療に伴う長期の不動は、関節可動域制限などの後遺症を招きやすく、
適切なリハビリテーションが必要です。
そこで今回は、「肩甲骨骨折」の原因や症状、そしてその治療方法や、
リハビリテーションの内容などについて解説します。
“肩甲骨”とは?
“肩甲骨”は、
背中の上部で左右両側に存在する骨です。
三角形の形が特徴的で、
肋骨上を浮遊するように自由に動きます。
その動きは関節によって規定されているというより、
筋に引かれる方向へ動きます。
肩甲骨自体で6つの運動方向を持ち、
(内転・外転、挙上・下制、上方回旋・下方回旋)
上肢の運動を補助する役割を持っています。
「肩甲骨骨折」の原因とは?
「肩甲骨骨折」が生じる原因は、
強力な外力による外傷です。
骨自体は薄く丈夫とは言えませんが、
下肢と違い接触すること自体が少ない位置にあるため、
主に、“交通事故”や“高所からの転落”によるものがほとんどです。
多くは、縦、または横方向にヒビが入るように骨折をきたします。
稀に激しい外力によって粉砕することもあります。
「肩甲骨骨折」の症状とは?
「肩甲骨骨折」の症状は、
受傷直後から生じる“激しい痛み”です。
上肢の運動時はもちろんのこと、仰向けで寝ること、呼吸などでも疼痛が生じます。
また、腫脹や軋轢音などの症状も出現します。
「肩甲骨骨折」の治療方法とは?
「肩甲骨骨折」の治療方法は、
“保存療法”で行われることがほとんどです。
肩甲骨は上肢の運動に連動するように動くため、
上肢を装具や“三角巾”で固定します。
安静によって骨癒合を待つのです。
骨折の粉砕などがあまりにも重度の場合には、
“手術療法”が検討されることもあるようですが、非常に稀なようです。
「肩甲骨骨折」のリハビリテーションとは?
先に述べたように「肩甲骨骨折」の治療は、
上肢の固定に伴う“安静”です。
おおよそ2-3週程度の固定期間が一般的ですが、
その間にも肩関節周囲の筋力低下や、関節可動域制限が生じることがあります。
そのためリハビリテーションでは、
過度の不動が生じないよう、肩関節周囲筋のストレッチや、
回旋筋腱板を中心とした軽負荷での筋力訓練などを実施します。
90°以上の上肢挙上は、
肩甲骨の運動が生じるため、骨癒合などの状態を確認する必要があります。
まとめ
今回は、「肩甲骨骨折」の原因や症状、そしてその治療方法や、リハビリテーションの内容などについて解説しました。
積極的な治療方法がないため、
安静を守りながら、後遺症が生じないようにリハビリテーションを併用することが重要です。
また、仰向けで寝るのが大変な場合が多いので、
良い方の肩甲骨を下向きにした側臥位を取ることが推奨されます。
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