「抜釘術」とは?術後はリハビリテーションは必要?
「抜釘術」
という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
医療従事者や骨折を経験したことがある人なら聞いたことがあるかもしれませんね。
この記事では、
・抜釘術
・抜釘術後のリハビリテーションの必要性
について解説します。
「抜釘術」
比較的重症な骨折を経験したことがある人なら聞いたことがあるかもしれません。
「抜釘術」とは、
“プレートやボルトを使って接合術を行った後、そのプレートやボルトを抜去する手術”です。
つまり、
骨折を生じた際などに、
自然回復などでは修復困難な場合に使用するプレートやボルトを、
骨の癒合後に取り出すかどうかです。
“釘(くぎ)” を “抜(ぬく)”
と書いて「抜釘」ですね。
多くの患者さんは、
いずれ取り出すものと思っている人も多いですが、必ずしもそうでなく、
メリットやデメリットがある中で本人と医師の選択によって決まります。
今回は、「抜釘術」の適応やメリット、デメリット、そして「抜釘術」後のリハビリテーションについて解説します。
「抜釘術」の適応とは?
「抜釘術」を行う場合には、
何がなんでも抜いてしまえば良いというものではなく、
抜くことによって骨構造を保持できない場合や、
抜くという行為が身体に悪影響を及ぼす場合には適応になりません。
例えば、
人工関節というのは、
そのものが関節を構成するものであって抜去してはならないものですし、
高齢者であり、手術そのものが負担になる場合には適応になりません。
最近では、医療機器も進歩しているため、
体内に残していても悪影響を及ぼすものでもなくなっているのです。
プレートやスクリューなどによって骨を固定し、
骨癒合を待つ場合の骨接合術後などは「抜釘術」の適応となります。
代表的な疾患として、
・大腿骨遠位部骨折に対する骨接合術
・脛骨骨折に対する骨接合術
などがありますね。
また、患者側の要因による適応として、
・美容的な問題
・スポーツ選手
・緩みや破損
・アレルギー
・遅発性の感染
などが挙げられます。
さらに、特に「抜釘」の必要がないと思われる人でも、
長期の骨固定のための留置は、
骨が強固に巻きついて癒合するため、将来的に人工関節を入れる可能性がある場合に厄介な存在になることから、
「抜釘術」を行っておくという選択もあります。
「抜釘術」の適応とならない場合は?
反対に「抜釘術」を行うことが困難、
または注意が必要な状態として、
・高齢者
・手術による合併症の可能性
などが挙げられます。
当然、
「抜釘術」も麻酔が必要であり、
手術そのものにリスクが伴います。
また、いくら腕が良くても人間が行う操作では、
神経損傷や術中骨折などのリスクが考えられます。
これらすべてを加味した上で、
メリット・デメリットを天稟にかけて「抜釘術」が行われるわけですね。
「抜釘術」後にリハビリテーションは必要?
「抜釘術」によって入院した場合、
術後にリハビリテーションを行うか否かは病院によって異なります。
ただ、実際に必要かどうかと言われると、
必要でない場合が多いです。
骨構造に劇的な変化が生じないため、
麻酔から正しく覚め、創部の疼痛も自制内であれば、
下肢の抜釘であっても通常は歩くことが出来るでしょう。
ただし、上記の限りでなく、
痛みが強かったり、麻酔による術後の気分不快などによって長期の臥床を強いられたり、
もともとの状態がすでにリハビリテーションを必要とする場合であるなら行うべきでしょう。
まとめ
今回は、「抜釘術」の適応やメリット、デメリット、そして「抜釘術」後のリハビリテーションについて解説しました。
「抜釘術」と言っても様々なメリット・デメリットがある中で、
個々の状態に応じて行うかどうかの判断をしていかなければなりません。
術後のリハビリテーションも必ずしも必要、もしくは不必要というわけではなく、
術前、そして術後の状態を加味して決めて行く必要がありそうですね。
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