「強剛母趾」とは?原因や症状、治療法とは?
「強剛母趾」
医療機関に従事する人間でも、あまり耳にしない疾患名かと思います。
痛風や外反母趾に間違えられることもある疾患です。
「強剛母趾(きょうごうぼし)」とは、
“足の第1趾(親趾)の付け根に強い痛みが生じる疾患”
です。
足の親指の付け根の痛みといえば、
似たような疾患に“痛風”や“外反母趾”などがありますが、
これらとは区別されます。
「強剛母趾」は、
足の構造の崩れを主体とした疾患である点は外反母趾と同様ですが、
骨棘と呼ばれる余分な骨が生成され、
足の指をそらしたり、足の付け根が靴に当たったりすることで強い疼痛が生じます。
見た目上、親指の付け根に”ボコッ”とした骨の出っ張りが出現することもあります。
歩行などで、趾で床を蹴り出すことが出来なくなり、
次第に歩くのが苦痛になります。
適切な治療をしなければ自然治癒する疾患ではないので、
適切な診断が必要です。
そこで今回は、「強剛母趾」の原因や症状、治療法などを解説します。
「外反母趾」に関する記事はこちら
→外反母趾とは?その原因は?
→外反母趾の治療方法とは?リハビリテーションで改善する?
「強剛母趾」の原因は?
「強剛母趾」の原因には、
議論の余地はあるものの、身体(足の構造)の特徴が関与しているとされています。
「強剛母趾」の患者は、
第一中足骨と呼ばれる、足の付け根よりもさらに近位の骨が、
比較的持ち上がっている、かつ長いという特徴があります。
この場合、通常の歩行などで床を蹴り出す際に、
親趾の付け根(MTP関節)に持続的な力学的なストレスが生じます。
長年このような状態が続くと、
徐々に骨はすり減りながら、骨棘と呼ばれる余分な骨が新生され発症するのです。
このような身体的な特徴に加えて、
親趾をそらす動きの多い、柔道やテニスなどのスポーツを行なっている人、
頻繁にハイヒールを履いている人などもリスクが高いと言えます。
「強剛母趾」の症状は?
「強剛母趾」の症状は、
親趾の付け根(MTP関節)に生じる“疼痛”です。
特に、指を反らせたり、靴で圧迫されたりすることで疼痛が出現するため、
次第に歩行時の蹴り出しが行えなくなってきます。
無意識に痛みを回避することで、
他の部位に余計な痛みなどが生じたりすることもあるので、早めの対処が重要です。
「強剛母趾」の治療は?
「強剛母趾」の治療は、
症状の程度によって決定されます。
比較的軽度の場合は、靴の調整(足の動きが生じにくいように固い靴・インソール等)や、消炎鎮痛などを行います。
つまり、足を余計にそらすことを軽減させ疼痛を抑制するのです。
そのため、根治的な治療とは言えません。
症状が重く、歩行などが困難となっている場合には、
手術療法が適応となります。
手術療法にはいくつかの種類があり、
・骨棘切除術
・関節固定術
・切除関節形成術
・人工関節置換術
など、その人の症状や生活スタイルなどによって選択されます。
現在でも様々な手術方法などが提案されているそうです。
まとめ
今回は、「強剛母趾」の原因や症状、治療法などを解説しました。
あまり知られていない疾患名だけに、
他の疾患と間違えてしまうこともあるかもしれません。
症状が現れている場合は、整形外科など専門の病院やクリニックを受診するようにしましょう。
「外反母趾」に関する記事はこちら
→外反母趾とは?その原因は?
→外反母趾の治療方法とは?リハビリテーションで改善する?
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