「テニス肘」の診断方法や手術療法とは?
テニス愛好家が罹患しやすいとされる疾患が、
「テニス肘」です。
ただし、現代では、パソコンのキーボードやマウス操作によって、
ビジネスパーソンの罹患も増えているそうなんです。
「テニス肘」とは、
テニス愛好家に生じやすい疾患で、
バックハンドストロークを繰り返し行った際に生じる、
上腕骨外側上顆炎のことを言います。
テニスの初心者や、筋力の弱い40-50代の女性に好発し、
ボールを打つ際に手首に過剰に力が加わることで、
短橈側手根伸筋の緊張が上腕骨外側上顆を牽引し炎症が生じるのです。
・体幹の回旋が乏しく、手だけで打つ
・インパクトがスウィートスポットから外れる
なんていう人は特に要注意です。
その症状としては、
バックハンドストローク時の“疼痛”はもとより、
日常生活動作においても、雑巾を絞ったり、ドアノブを回すなどの際に、疼痛が出現します。
治療の第一選択としては、
“保存療法”が適応となりますが、
それでも症状に改善が認められない場合には、“手術療法”が適応となります。
そこで今回は、「テニス肘」の診断方法や手術療法について解説します。
詳しい原因や症状はこちら
→「テニス肘」の原因や症状、治療法は?ビジネスパーソンも要注意!
「テニス肘」の診断方法とは?
「テニス肘」の診断方法には、
代表的な3つの整形外科的テストが存在します。
これらは外来においても簡易的に行えるテストです。
Thomsenテスト
Thomsenテストの方法は、
肘を伸ばして、背屈させた手首に抵抗をかけます。
テニス肘の場合には、高頻度で上腕骨外側上顆に疼痛が生じます。
Chairテスト
Chairテストの方法は、
肘を伸ばして、手のひらを下に向けた状態で、椅子をつかんで持ち上げてもらいます。
テニス肘の場合には、高頻度で上腕骨外側上顆に疼痛が生じます。
中指伸展テスト
中指伸展テストは、
肘を伸ばして、伸展させた中指に抵抗をかけます。
第3中手骨底の背側面に付着している短橈側手根伸筋に選択的な負荷を与えることができます。
「テニス肘」の手術方法とは?
「テニス肘」に対する”手術療法”は、
保存療法にて良好な成果が得られなかった場合などに適応となります。
・伸筋腱起始部解離術
・伸筋筋膜切開術
・輪状靭帯や関節包の部分切除術
・関節内の滑膜切除術
・関節鏡視下手術
などが方法として挙げられます。
伸筋腱とは、短橈側手根伸筋であり、緊張を和らげることで除痛を図ります。
また、低侵襲で行える関節鏡視下手術は、肘に1-4mm程度の切開創で行えます。
炎症の著しい腱や筋を切除し、機能している腱や筋を再接着または再建する方法で、
日帰り手術なども可能となっています。
まとめ
今回は、「テニス肘」の診断方法や手術療法について解説しました。
スポーツには怪我はつきも付き物…
とは言うものの、防げる怪我は予防したいものですね。
テニス自体の技術向上に加えて、準備運動としての手首や前腕のストレッチ、
サポーターの活用などが予防法として有効です。
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