悪性関節リウマチとは?関節リウマチとは違うの?
関節リウマチという疾患をご存知ですか!?
30歳〜50歳代の女性に好発する疾患で、
主に関節の変形や、疼痛、関節可動域制限を主症状とします。
では、「悪性関節リウマチ」はご存知ですか!?
関節リウマチとは、
“自己免疫疾患”の一つで、
全身性の関節の炎症を主症状とする慢性で進行性の疾患です。
原因は不明とされていますが、
何らかの遺伝的な要因が示唆されています。
関節リウマチの詳しい記事はこちら
→関節リウマチってどんな疾患?その原因や症状、治療方法は?
→関節リウマチの原因や、その病態とは?
ところで、
「悪性関節リウマチ」という疾患はご存知ですか!?
関節リウマチとは異なる疾患なのでしょうか?
「悪性関節リウマチ」は、
既存の関節リウマチに、血管炎をはじめとして、
幾つかの関節外症状を呈し、難治性または重篤な病態を伴う場合
を言います。
別名:リウマトイド血管炎
と言われ、その重篤な病態から、関節リウマチよりも予後は不良となります。
そこで今回は、「悪性関節リウマチ」について解説します。
悪性関節リウマチとは?
悪性関節リウマチは、
既存の関節リウマチに加えて、
「血管炎をはじめとして、関節外症状を認め、難治性または重篤な病態を伴う疾患」
と定義されています。
この疾患概念は本邦独自のものであり、
「特定疾患」にも指定されています。
関節リウマチの症状や合併症はこちら
→関節リウマチに生じる合併症とは?
→関節リウマチとは?どのような症状がある?
悪性関節リウマチの疫学は?
悪性関節リウマチは、
60歳をピークとして、男女比は1:2で男性に多いです。
このあたりは、関節リウマチとは反対ですね。
悪性関節リウマチの1年間の受診者数は、
およそ4,000人とされています。
関節リウマチ発症後、10年以上経過した病歴がある者に発症しやすいとされています。
類似疾患はこちらも
→若年性関節リウマチ(若年性突発性関節炎)とは?関節リウマチとの違いは?
悪性関節リウマチの原因は?
関節リウマチと同様に、
明確な原因は分かっていません。
しかしながら、
家族内発症を認め、発症しやすい体質を遺伝するのではないかと言われています。
その病態は、関節リウマチよりも、免疫異常を強く認め、
抗リンパ球抗体に関しては、関節リウマチの3倍以上の陽性率を示すそうです。
悪性関節リウマチの症状は?
悪性関節リウマチの症状は、
既存の関節リウマチの関節症状に加えて、
・体重減少
・紫斑
・間質性肺炎
・胸膜炎
・多発単神経炎
・消化管出血
・心筋梗塞
などの症状または、合併症を認めるのです。
全てが同時に出現するわけではなく、人によって出現する症状は異なります。
関節リウマチの症状はこちら
→関節リウマチとは?どのような症状がある?
悪性関節リウマチの治療は?
悪性関節リウマチの治療方法は、
既存の関節リウマチの治療に加えて、病態や重症度によって、
さらに治療が追加されます。
ここでいう治療とは、
主に【薬物療法】を指します。
関節リウマチの薬物療法はこちらを参照
→関節リウマチの薬物療法!生物学的製剤とは?
まとめ
今回は、「悪性関節リウマチ」について解説しました。
関節リウマチをより強力にしたような症状を呈すため、
予後も不良とされています。
原則として寛解するまでは入院が必要であり、その間には、呼吸器や感染症、心臓や腎臓の不全に大変注意が必要です。
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