関節リウマチのリハビリテーション!炎症期の運動療法とは?
「関節リウマチ」は、
30歳〜50歳代の女性に好発する
“自己免疫疾患”です。
膠原病の一つにも数えられ、慢性の経過をたどります。
変形や関節可動域制限などの関節破壊を生じますが、
リハビリテーションなどの適切な管理によって、
機能維持や向上が重要となります。
「関節リウマチ」は、
“自己免疫疾患”の一種であり、
本来身を守るはずの免疫が何らかの異常によって、
自己を攻撃する疾患です。
関節リウマチの詳しい原因はこちら
→関節リウマチの原因や、その病態とは?
全身の関節の炎症を主体とする疾患で、
「関節破壊」が進行します。
そのため、全身の関節の
・変形
・疼痛
・関節可動域制限
を主な症状とし、それらによって日常生活も高度に制限されます。
関節リウマチの詳しい症状はこちら
→関節リウマチとは?どのような症状がある?
関節リウマチの治療の主体となるのは、
「薬物療法」です。
同時に【リハビリテーション】などを施行し、関節機能の維持や向上を図ります。
今回は、関節リウマチのリハビリテーション、
その中でも炎症期の運動療法についてその考え方などを解説します。
関節リウマチの詳しい治療はこちら
→関節リウマチの薬物療法!生物学的製剤とは?
関節リウマチのリハビリテーション
関節リウマチの治療の中心は、
【薬物療法】です。
しかしながら、薬物療法のみでは、
進行していく関節機能の維持や向上は図れません。
リハビリテーションでは、薬物療法の効果に合わせてて、目標や治療方針を決定し、
とりわけ、関節拘縮と廃用性の筋力低下の予防や改善が基本となります。
特に関節リウマチでは、
【寛解】と【増悪】と繰り返しながら進行する疾患であるため、
リハビリテーションにおいても、
「炎症期」と「非炎症期」では異なる方針で行う必要があるのです。
炎症期の運動療法とは?
関節リウマチの炎症期は、
原則として【安静】が必要であると言われています。
そのため、手指や手関節などでは、プラスティック装具などを用いて機能的肢位での固定を行うこともあります。
このように、炎症期における関節に対する過負荷は、関節の破壊の助長につながります。
しかし….
では、安静期には何もしなくて良いのでしょうか!?
答えは【否】です。
炎症期においても、何もしなければ廃用性の筋力や体力低下、
さらには、関節拘縮などの進行が進みます。
そのため、完全なる安静や不動は、運動機能を帰って悪化させる可能性があるのです。
廃用性の筋力や体力低下を予防するためには、
原則として【等尺性の筋収縮】を行います。
※等尺性:関節を動かさないで筋を収縮させる方法
また、関節可動域訓練は、愛護的に行うことが原則であり、
自動運動や自動介助運動が推奨されます。
具体的には、下肢伸展挙上やQuad Setthingなどの方法が推奨され、
1日2回、10回程度を目安に行います。
また、関節可動域訓練は1日2回、全可動域に渡って動かすように行います。
ただし、痛みを伴う場合などは、その量や頻度を減少させるなどの対応が必要となります。
非炎症期に対するリハビリテーションはこちら
→関節リウマチのリハビリテーション!非炎症期の運動療法とは?
まとめ
関節リウマチのリハビリテーション、その中でも炎症期の運動療法についてその考え方などを解説しました。
炎症期の運動療法では、安静と運動のバランスを見ながら行うことが重要です。
過去には、炎症期といえば絶対的な安静を強いられていたこともありますが、現在では、適度な運動が機能維持に重要ということが、もはや常識となっています。
具体的な方法は、理学療法士や作業療法士などの専門家のアドバイスを仰ぐようにしましょう。
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