関節リウマチに対する手術療法とは?
「関節リウマチ」は、
30-50歳代の女性に好発する“自己免疫疾患”です。
膠原病の一つにも数えられ、
関節破壊による、変形や関節可動域制限をきたします。
その治療法の一つに【手術療法】が存在します。
「関節リウマチ」は、
“自己免疫疾患”と呼ばれ、本来身を守るはずの自己免疫が、
何らかの異常によって自己を攻撃します。
現在では、詳細な原因は明らかではないものの、
遺伝的要因に環境要因が加わって発症すると言われております。
関節リウマチの詳しい原因はこちら
→関節リウマチの原因や、その病態とは?
関節リウマチは、全身の関節に及ぶ炎症性疾患であり、
全身の“関節破壊”が生じます。
そのため、
手指や手、足趾などを好発部位として「変形」や「疼痛」、「関節可動域制限」などが生じます。
関節リウマチの詳しい症状はこちら
→関節リウマチとは?どのような症状がある?
関節リウマチの治療の第一選択は、【薬物療法】です。
急速な治療薬の進歩によって、症状の多くは抑制できるようになりました。
それでも、症状が進行し、日常生活に支障をきたすレベルになると、
【手術療法】が必要となります。
そこで今回は、関節リウマチに対する手術療法について解説します。
関節リウマチの手術療法とは?
関節リウマチにおける手術療法の選択の多くは、
【関節障害】に対して行なわれます。
手術療法の目的は、
・疼痛の除去
・日常生活動作の改善
・外観性の改善
などが挙げられます。
関節リウマチの手術療法では、必ずしも構造や機能的な障害の改善のみならず、
自身のQOLの向上に関与する要因に対する治療が行なわれます。
人工関節置換術
人工関節置換術は、
足・膝・股・肩・肘などに対して行われる手術です。
文字通り、関節破壊が進行した関節を人工物に置換する手術です。
日本においては、変形性関節症に代表されるように、
膝関節や股関節に対して行われる件数が圧倒的に多いです。
それだけに、手術手技やインプラントの性能の向上など飛躍的な進歩を遂げています。
以前は10年程度と言われていた人工関節の寿命ですが、現在では、20年以上の安定した成績が得られるようになっています。
人工関節の参考記事はこちら
→変形性膝関節症の手術療法「TKA」とは?他にも手術の種類があるの?
→変形性股関節症の手術療法とは?どんな種類や方法がある?
関節固定術
関節固定術は、主に、
頚椎・手関節・足関節・手指などの関節破壊に対して行われる手術方法です。
不安定性の強い関節や運動による強い疼痛が生じる関節を固定し、確実な除痛と安定性を得ることを目的とします。
当然ながら、可動性を犠牲にする必要があります。
滑膜切除術
関節切除術は、炎症が生じている関節の滑膜を切除する手術です。
初期から中等度の関節障害に適応があり、
主に肘関節や手関節に対して良好な成績が挙げられています。
無痛性と可動性、そして支持性の3要素すべてを犠牲にすることなく行えるという利点がある一方で、
再発の可能性があり、高度な関節破壊に対しては適応となりません。
関節形成術
関節形成術は、関節の形状が残存している状態で、
形状を整えることを目的に行う手術です。
構造、機能のみならず、外観性の改善も目指した手術です。
ただし、初期から中等度の、そして比較的軽度の関節障害の場合のみ、適応となります。
関節リウマチに関するその他の記事はこちら
→関節リウマチってどんな疾患?その原因や症状、治療方法は?
→関節リウマチの診断基準とは?
→関節リウマチとは?その診断や検査方法がある?
まとめ
今回は、関節リウマチに対する手術療法について解説しました。
近年の治療薬の進歩によって、
手術療法自体の件数の減少に期待がかかっています。
それでも、まだまだ多くの方が関節破壊によって、手術療法を余儀なくされています。
手術療法に関しても、今後もますますの発展が望まれます。
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