膝蓋骨骨折とは?原因や症状、その治療方法は?
膝のお皿が割れるって知っていましたか?
膝のお皿は、正式には、
「膝蓋骨」と呼ばれます。
膝蓋骨骨折は、下肢の外傷の中において、
比較的頻度の多い骨折です。
膝蓋骨は、
いわゆる“膝のお皿”の部分のことで、
膝関節の前面に位置しています。
膝蓋骨の機能は、
膝において最大かつ最強の筋力を誇る「大腿四頭筋」の
運動効率を高めることです。
この膝蓋骨をちょっとぶつけただけでも、相当痛いですよね。
皆さんもそんな経験があるかと思います。
しかしながら、この膝のお皿は、
高齢者はスポーツに従事する人では、
比較的骨折の頻度が高いと言われています。
「えっ、お皿って割れるの…」
とお思いかと思いますが、やはり骨折したら相当痛いのではないかと思います。
今回は、膝蓋骨骨折の原因や症状、そしてその治療方法などについて解説します。
膝蓋骨骨折骨折の原因は?
膝蓋骨骨折の原因となるのは、
直達外力によるものと、介達外力によるものに分類されます。
膝の前面を直接ぶつけることによって生じる直達外力では、
・交通事故
・転倒や転落
・スポーツ
による受傷機転が多数を占めます。
一方で、大腿四頭筋の付着部である膝蓋骨は、
スポーツなどで強力に牽引されることで生じることもあります。
膝蓋骨骨折の分類は、骨折線の入り方によって分類され、
その中でも、粉砕(星状)骨折と横骨折が90%以上を占めると言われています。
膝蓋骨骨折の骨折型の分類はこちら
→「膝蓋骨骨折」骨折型の分類とは?
膝蓋骨骨折骨折の症状は?
膝蓋骨骨折を生じると、
強い「疼痛」が出現します。
当然ながら、
膝を曲げた際の強い疼痛や、
大腿四頭筋の強力な収縮による強い疼痛などが生じます。
腫脹や発赤などの基本的な炎症症状は出現しますが、
反対に言うと上記のように骨折部に負荷がかからない運動、
すなわち、膝を完全に伸展位にして歩くなどは受傷後早期から行える場合もあります。
膝蓋骨骨折骨折の治療法は?
膝蓋骨骨折の治療方法は、
保存療法と手術療法に大別されます。
保存療法では、ニーブレースなどを用いて膝関節の運動を制限し、
膝関節伸展位のままで安静を保ちます。
膝蓋骨の癒合状態に合わせて、関節可動域訓練を開始し、膝の屈曲可動域を確保するとともに、大腿四頭筋を中心とした筋力強化を図ります。
一方で手術療法では、転位のある骨折で適応となります。
手術方法には、実にたくさんの方法が考案されています。
・ワイヤー締結法
・Zuggurtung法
・compression osteosynthesis
・骨螺子固定
・周辺部分縫合法
・膝蓋骨部分、または全摘出法
手術方法によって、術後のプロトコールは異なります。
膝蓋骨骨折に対する手術はこちら
→膝蓋骨骨折に対する手術療法とは?どんな方法がある?
保存療法、手術療法ともに、
1.術後の疼痛
2.関節可動域制限
3.大腿四頭筋の筋力低下
が問題となることが多く、これらを残さないように、
早期よりリハビリテーションによって機能改善を図る必要があります。
→膝蓋骨骨折の保存療法に対するリハビリテーション方法は?
→膝蓋骨骨折に対する手術療法後のリハビリテーションとは?
まとめ
今回は、膝蓋骨骨折の原因や症状、そしてその治療方法などについて解説しました。
骨折の治癒自体に関しての予後は良いですが、
関節可動域制限などの後遺症を残しやすい骨折でもあります。
特にスポーツなどの激しい運動では、このような後遺症は命取りになるので、リハビリテーションと併用した治療が重要となります。
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