腰椎圧迫骨折の手術療法とは?その種類は?
腰椎圧迫骨折は、
骨粗鬆症などを有する高齢者に頻発する骨折です。
尻もちなどによる転倒による受傷は当然のこと、
くしゃみだったり、特別な誘引なく骨折が生じることもあるのです。
では、腰椎圧迫骨折はどのように治療を行っていくのでしょうか!?
腰椎圧迫骨折は、脊椎の中でも下位に位置する腰椎の椎体の骨折です。
文字通り、外力などによる“圧迫”が引き金となることが多く、その多くが骨粗鬆症などの原疾患を有していることが多いです。
高齢社会を迎えている我が国では、今後ますます増加の一途をたどると言われています。
腰椎圧迫骨折に関する詳しい記事はこちらを参照下さい!
→腰椎圧迫骨折とは?原因や症状、治療方針は?
腰椎圧迫骨折の治療法は二つに大別されます。
・保存療法
・手術療法
があり、多くの場合(9割以上)は保存療法が選択され、コルセットなどを使用し、骨癒合を待ちながらリハビリテーションを実施します。
コルセットの効果に関する詳しい記事はこちら
→腰椎圧迫骨折の保存療法!コルセットの効果とは?
では、【手術療法】では、どのような方法の手術が行われるのでしょうか!?
以前は、前方、または後方よりinstrumentationによる固定が行われていましたが、最近ではより低侵襲の手術が行われています。
・椎体形成術
・脊椎後方短絡術
などが代表的な手術方法です。
そこで今回は、腰椎圧迫骨折の手術療法について詳しく解説します。
腰椎圧迫骨折の診断方法に関する詳しい記事はこちら
→腰椎圧迫骨折の診断や判定方法は?分類方法はある?
腰椎圧迫骨折の手術療法
腰椎圧迫骨折の治療方法における第一選択は保存療法です。
しかしながら、数ヶ月経っても骨折部が治癒しない場合や、高度の変形などをきたした場合には、
【手術療法】が適応となります。
また、早期離床や早期退院、疼痛軽減、矢状面のアライメント改善などの効果が期待できます。
しかし、脊椎の手術は、脊髄などの神経が通っていることもあり、リスクも高く、医師の技量に左右されることがありますので、行える病院自体が限られるという制約もあります。
腰椎椎体形成術
腰椎椎体形成術は、骨粗鬆症などに伴う椎体圧迫骨折に対して、
・圧潰防止
・疼痛改善
などを目的として実施されます。
また、骨折部が偽関節となり不安定性をきたした場合などにも適応となります。
腰椎椎体形成術は、骨折した椎体の中に人工の骨を注入して、骨自体を補強する手術です。
さらに、その骨が癒合するまで、更なる圧潰を防ぐため、上下の椎体を金属で連結させ固定させます。
手術後より疼痛が軽減することが多く、コルセットを装着することによって術後翌日より起立・歩行訓練が可能となります。
※術後の安静期間に関してはDrの方針によるので、一概には言えません。
脊椎後方短絡術
脊椎後方短絡術は、脊椎の後方部分、棘突起、椎弓、椎間関節、椎体後方部分を切除し、短縮されます。
この操作によって、脊椎の後弯が減少し、頭側の椎体が水平に近づくため、安定してスクリューを挿入し、固定することができるのです。
疼痛の軽減や、矢状面のアライメント改善などの効果が得られるとともに、
術後1W程度でコルセット装着下での起立・歩行訓練が可能となります。
術後は、リハビリテーションを継続して行い自宅復帰を目指します!
→腰椎圧迫骨折のリハビリテーション方法や禁忌事項とは?
→腰椎圧迫骨折におけるリハビリテーションの評価項目は?
まとめ
今回は、腰椎圧迫骨折の手術療法について詳しく解説しました。
手術療法のメリットは、骨折部の安定が得られ、早期に離床や退院ができる可能性があるという点です。
ただし、手術創の疼痛を認めたり、脊柱の可動性が制限されるというデメリットもあります。
いずれにせよ重要なのは術後のリハビリテーションであることは間違いないので、再発も含めて指導を受けることが重要です。
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