人工関節に対する「リビジョン(Revision)」とは?経過や注意点は?

    
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近年は医療技術の進歩に伴い、

手術手技の多様化や、医療機器の性能の向上が認められます。

 

その中でも“人工関節”は、

関節の除痛に対して効果が高く、本邦においても盛んに行われています。

 

そんな人工関節も耐用年数があり、

いわゆる“入れ替え”を行わなければならない場合もあります。

 

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“人工関節”として、

代表的なものに、

変形性膝関節症に対する「人工膝関節全置換術」や、

変形性股関節症に対する「人工股関節全置換術」などがあり、

いずれも荷重時の疼痛の緩和を最大の目的としながらも、

歩行をはじめとした日常生活動作の改善に非常に効果的です。

 

 

医療技術が進歩した近年においても、

人工関節自体の耐用年数は有限であり、

おおよそ20年程度と言われています。

 

 

耐用年数を迎えると、

人工関節に緩みが生じたり、

場合によっては破損する症例などもあり、

人工関節を“入れ替える”手術が必要となります。

 

 

このような手術を、

「リビジョン(Revision)」と言います。

そこで今回は、主に人工股関節全置換術(以下:THA)に対する「リビジョン」について詳しく解説します。

 

【変形性股関節症】に関する記事はこちら
変形性股関節症って治るの?原因や症状、治療方法とは?
変形性股関節症の手術療法とは?どんな種類や方法がある?

人工関節の耐用年数は?

THAにおいて、

人工関節自体の耐用年数はおおよそ20年と言われています。

 

しかしながら、実際には個人差が大きく、

10年でリビジョンが必要になる人もいれば、30年経っても大丈夫な人など様々です。

 

これには幾つかの理由があり、以下のような要素が耐用年数の長短に影響を与えます。

・活動量
・体重
・生活様式
・併存疾患の有無

などです。

 

当然ながら体重が多ければ人工関節への負荷は大きく、

活動量が多ければ負荷は大きく、

生活様式などによって無理な姿勢を行うことで破損することもあります。

 

また、関節リウマチ(RA)の場合などでは、

緩みなどが生じやすいと言われます。

 

関節リウマチ(RA)に関する記事はこちら
関節リウマチってどんな疾患?その原因や症状、治療方法は?
関節リウマチとは?どのような症状がある?

 

 

 

リビジョンが必要となる原因は?

「リビジョン」が必要となる原因には幾つかあり、

そのタイプによっても、どこを入れ替えるかなども異なります。

 

その原因には、

・ソケットやステムの緩み
・ポリエチレンライナーの磨耗
・破損

などが挙げられます。

 

骨と人工関節は、時間とともに強固に結合するのですが、

長期の使用により再度緩んできてしまうのです。

 

特にヘッドとライナーの磨耗が強い場合には、

磨耗粉が生じ、それが骨と人工関節間に入り込むことで骨溶解が生じ、緩みが出現するのです。

 

 

 

関節の緩んだ際の症状はある?

人工関節に緩みが生じても、

“無症状”であることが多いのです。

 

そのため自己にて気づくことは難しく、

定期健診などの画像診断によって発見されます。

 

早期に発見し、骨が丈夫な状態であるほど、

固定性は良いので早期発見も重要です。

 

 

 

リビジョンの方法は?

基本的に初回の人工関節置換術よりも、

リビジョンの方が技術を要するとされています。

 

それもそのはず…

初回で入れた人工関節を一度撤去しなければならないため、

より繊細な技術が必要です。

 

骨の破壊などが少ない場合は、

比較的手術自体も容易であり、ライナーだけの交換など、

部分的な入れ替えだけで済む場合もあります。

 

 

 

リビジョンの注意点は?

リビジョン後の状態は、

初回の人工関節ほどに劇的な身体機能の変化が生じるわけではなく、

場合によっては、初期から荷重を開始し、歩行が可能な例もあります。

 

ただし、リビジョンの場合には、

初回の手術後よりも“脱臼”のリスクが高まると言われており、

より脱臼に対して細心の注意を払う必要があります。

 

“脱臼”に関する記事はこちら
人工股関節全置換術後の脱臼の原因や時期は?


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