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東京マラソンにおける高率な倍率が物語る“マラソンブーム”。

アスリートのみならず一般の人でも趣味として行なっている人も多いはず。

そんなマラソンやランニングでは、

その競技特性に応じた怪我がつきものです。

その一つに「鵞足炎」があります。

「鵞足炎」とは、

“鵞足部分に生じる炎症”

です。

“鵞足”とは、

・半腱様筋
・薄筋
・縫工筋

が腱となってまとまって停止する脛骨近位内側面のことです。

この部位は、

マラソンなどの繰り返される膝の運動によって、

鵞足の腱同士、または腱と骨などが擦れて摩擦が生じることで炎症が生じます。

過度の練習などのオーバーユースが一つの要因となりますが、

それだけでなく資質としていくつかの身体要因が関与する場合もあります。

今回は、

そんなマラソンの大敵である「鵞足炎」の原因や治療法などを解説します。

マラソンに好発する疾患はこちら
→ランニングやジョギングに好発「足底腱膜炎」の原因とは？

「鵞足炎」とは？

「鵞足炎」とは、

・半腱様筋
・薄筋
・縫工筋

が腱となってまとまって停止する脛骨近位内側面である“鵞足”の炎症です。

3つの腱が集まった状態を

後方から見ると、“鵞鳥の足”に見えることからこのように呼ばれます。

以下に、「鵞足炎」が生じる原因や、その要因について解説します。

「鵞足炎」の原因とは？

「鵞足炎」が生じる原因は、

膝の曲げ伸ばしによる“機械的ストレス”です。

特にマラソンのように、

繰り返される膝の屈伸運動によって、

鵞足の腱同士、または腱と骨などが擦れて摩擦が生じることで炎症が生じます。

このようなストレスは、

当然ながらオーバーユースのような、いわゆる使いすぎが原因となります。

しかし、それだけではなく、

もともと“X脚（外反膝）”を有している場合などには、

より発症のリスクが高まると言われています。

単純に膝の屈伸運動のみならず、

膝関節の”外反”と”外旋”が組み合わさる動きによって、

より炎症部にストレスがかかりやすいのです。

このような理由から、”X脚”は発症リスクが高いのです。

そのほかの要因として、

・靴の不適合
・硬いアスファルトの走行
・回内足

なども発症リスクを高めると言われています。

「鵞足炎」の症状とは？

「鵞足炎」によって生じる症状は、

“鵞足”の疼痛です。

大雑把に言うと、

膝下の内側部の疼痛です。

疼痛の程度は様々で、

長距離走行時に痛みが出現する程度から、

痛くて少しも走れない状態など、重症度によって異なります。

マラソンに好発する疾患はこちら
→スネの痛み「シンスプリント」とは？原因や治療法は？

「鵞足炎」の治療法とは？

「鵞足炎」が生じた場合、

どのように治療を行えばよいのでしょうか！？

まずは、きちんと“休息”を取ることです。

炎症期に運動を続けてしまうと、

なかなか疼痛は治らず悪化してしまいます。

ただし、休息し一時的に疼痛は緩和しても、

根本的に「鵞足炎」が生じた原因を取り除かなければ再発は目に見えています。

まず簡単に行える方法としては、

・半腱様筋
・薄筋
・縫工筋

のストレッチです。

硬くなってしまっている状態では、

生じる摩擦や、骨を牽引する力なども強力なものになってしまい、

機械的なストレスが増加します。

次に、動作フォームの改善が必要となる場合もあります。

膝関節の”外反”と”外旋”が組み合わさる動きが生じている場合、

それだけでリスクファクターとなるため、

なぜそのような運動が生じているかを適切に分析する必要があります。

例えば、近接関節の周囲の筋力低下や可動性の低下などが原因となる場合も多く、

きちんと評価し、改善を図る必要があるでしょう。

また、

靴の適合や、走行路面の硬さなどの環境面の調整も重要な予防となります。

まとめ

今回は、マラソンの大敵である「鵞足炎」の原因や治療法などを解説しました。

マラソン初心者であればあるほど、

大会に出ようとオーバーワークとなると出現しやすいのがこういった疾患です。

適切な身体の知識がないと、自己で管理や治療をすることも容易ではありません。

少しでも膝周囲の違和感を感じたら、

整形外科や理学療法士、スポーツトレーナーなどの専門家の意見を聞くとよいでしょう。

マラソンに好発する疾患はこちら
→マラソンやランニングに好発「ランナー膝（長脛靭帯炎）」とは？

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