「顔面神経麻痺(ベル麻痺)」の原因や症状、治療法とは?
ある日突然、口に含んだ水が口からこぼれ落ちてしまう…
こんな不思議な症状が出現したら、
「顔面神経麻痺」を疑います。
「顔面神経麻痺」とは、
“顔面神経によって支配さえている顔面の筋の運動麻痺”
です。
多くは急性に発症します。
何らかの疾患に続発するなどの原因が特定できるものを、
“症候性顔面神経麻痺(=ラムゼイ・ハント症候群)“
明らかな原因が分からない突発性の発症によるものを、
“突発性顔面神経麻痺(=ベル麻痺)“
と呼びます。
後者の発症率がおよそ8割を占めています。
ある日突然生じる、片目や口角のピクピクした症状や、
口から含んだ水がこぼれる、うまく口が動かず喋れないなどなど…
機能的な問題のみならず、
美容的な問題も多く含んでいる疾患なんです。
そこで今回は、「顔面神経麻痺」の原因や症状、治療法などについて解説します。
※ここで解説する顔面麻痺は末梢性顔面神経麻痺に限ります。
「顔面神経麻痺」の原因とは?
「顔面神経麻痺」の原因は、
ラムゼイ・ハント症候群と呼ばれる“症候性顔面神経麻痺”の場合、
腫瘍や代謝性疾患(糖尿病)に加えて、
過去に水痘(みずぼうそう)を患った際のヘルペスウイルスが原因となって生じることがあります。
一方で、ベル麻痺と呼ばれる“突発性顔面神経麻痺”の場合、
原因が不明と言われているものの、
可能性として
・アレルギー
・寒冷への曝露
・ウイルス感染
などが挙げられるとともに、
“ストレス”なども発症の要因として考えられています。
「顔面神経麻痺」の症状とは?
「顔面神経麻痺」の症状は、
“一側性に生じる顔面の筋の麻痺”です。
具体的な症状として、
・口角が垂れ下がる
・口角からよだれが垂れる
・口が閉じれない
・口を尖らせられない
・額に皺が寄せられない
・目が閉じれない
・うまく話したり笑えない
などがあります。
なお、”症候性顔面神経麻痺”の場合は、
外耳に小水疱が現れることと、聴覚障害が見られることが特徴であり、
“突発性顔面神経麻痺”との鑑別ポイントとなります。
「顔面神経麻痺」の治療法とは?
「顔面神経麻痺」の治療は、
“投薬”によるものが一般的です。
ステロイド系の抗炎症薬と抗ウイルス薬の併用が効果的と言われています。
ただし、糖尿病や感染症などを悪化させることもあるため、
その使用は慎重に決定されます。
また、星状神経節への注射や、鍼治療、
後遺症が残った場合などにはボツリヌス毒素治療などが行われることがあります。
その他にも神経修復には、ビタミンB12やビタミンE製剤の服用なども行われます。
このような治療と並行して、
顔面筋の機能回復を促進するための“リハビリテーション”は欠かすことが出来ません。
→「顔面神経麻痺(ベル麻痺)」のリハビリテーションとは?守るべき注意点とは?
まとめ
今回は、「顔面神経麻痺」の原因や症状、治療法などについて解説しました。
顔面神経麻痺も不全であった場合には、比較的予後は良いとされます。
完全麻痺であった場合には、手術療法が適応されることもあるそうです。
何にせよ、症状が出現した場合には、早期に受診し、早めの治療が必要となります。
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