「足底腱膜炎」とは?原因や症状、治療法は?
昨今、生活習慣病の予防や健康への意識、そしてダイエットなどから、
“ウォーキング”や“ランニング”をする人が増加しています。
そんな中、増えている疾患の一つに「足底腱膜炎」があります。
「足底腱膜炎」とは、
足の裏に存在する”足底腱膜”と呼ばれる組織の炎症です。
足底腱膜は、土踏まずを構成するアーチ型の腱であり、
足底接地におけるクッション作用を有しています。
この”足底腱膜”に炎症が生じる原因には、
ランニングなどのスポーツによる過用に加えて、
扁平足やハイアーチなどの身体的特徴も関与します。
「足底腱膜炎」が生じると、
当然のことながら、
疼痛が生じ、運動はおろか日常生活での歩行も辛くなることがあります。
正しい治療を行わなければ治癒は長引くこともあります。
そこで今回は、足底腱膜炎の原因や症状、治療法を解説します。
足底腱膜ってどこ?
足底腱膜とは、
足の裏にある土踏まずと呼ばれるアーチを構成しています。
【起始】踵骨隆起の主に内側突起
【停止】中足骨頭付近で分岐し、第1~5足指の基節骨底面
足底の筋群を覆っている筋膜であり、
薄く幅広い構造をしています。
足底腱膜の役割は、
土踏まずにて弓を張ったようにピンとしたアーチを構成し、
歩行時やジャンプの着地などにおける衝撃吸収の役割を果たします。
足底腱膜炎の原因は?
足底腱膜炎の原因は多岐に渡ります。
最も多いのは、スポーツなどによる過用であり、
特にランニングやジャンプなどを頻繁に行うスポーツに好発します。
ただし、必ずしもこのような習慣的に行うものだけでなく、
発症しやすい危険因子があるのです。
その危険因子には、
・加齢:足底腱膜の柔軟性が低下する
・関節の柔軟性の低下:足にかかる応力が分散できない
・扁平足やハイアーチ
などといった身体的な特徴があります。
また、靴の適合不足や、衝撃緩衝作用の乏しい靴などの使用による外的な要因も危険因子となります。
詳しい解説はこちら
→ランニングやジョギングに好発「足底腱膜炎」の原因とは?
足底腱膜炎の症状は?
足底腱膜炎の症状は、“疼痛”がメインです。
特に踵の前方から土踏まずにかけて疼痛が生じることが多く、
足底腱膜付着部位にて牽引力によって疼痛が増すこともあります。
運動時はもちろんのこと、
起床後最初の一歩が特に痛みを感じる時であると言われています。
適切な治療を行わずに、繰り返しの負荷が加わり続けると、
疼痛のみならず、断裂のリスクもあります。
足底腱膜炎に対する治療法とは?
おおよそ9割の人が自然治癒すると言われています。
そのためには、適切な治療が必要です。
治療とはいっても、
スポーツなどの過用で生じた場合には、
運動量などを減らすなどの休息が基本です。
加えて、疼痛などに対する抗炎症薬や湿布薬などを使用するのも良いでしょう。
その他の要因として、
扁平足やハイアーチなどに対しては足底板の使用などが有効です。
日常生活に支障をきたす程度の疼痛が生じている場合には、
ごく稀ではありますが、外科的手術によって足底屈筋群の付着部の筋膜や腱膜を切離する方法もあります。
まとめ
今回は、足底腱膜炎の原因や症状、治療法を解説しました。
普段運動習慣がないのに、急激に運動を始メタことによって足裏が痛くなったなどの場合には、
足底腱膜炎を疑いましょう。
疼痛が生じた場合には、無理に継続せずにきちんと休息をとることが重要です。
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