「四点杖(多点杖)」ってどんな杖?役割や適応は?

    
Pocket

スライド31

“杖”と言われて思い浮かぶのは、

大抵の場合は、いわゆる「一本杖」と呼ばれる杖ではないでしょうか!?

 

“杖”には、様々な形状や役割を持つ種類が豊富に存在し、

「四点杖」もその一つであります。

 

スポンサーリンク

 

「四点杖」とは、

床面と接する部分が4本の足になっており、

杖そのもの安定性が高い杖です。

 

 

四点杖のように、床と接する部分が、

三点や四点、場合によってそれ以上であるときには、“多点杖”と言います。

広義には、「四点杖」“多点杖”ということになります。

 

 

杖の基本的な役割は、

“バランスを補助する”ことにあります。

特に「一本杖」においては、ある程度歩行が可能な者が、

ちょっとしたバランスを補助するために使用する場合が多いです。

「一本杖」に関する詳しい記事はこちら
「一本杖(T字杖)」の使用目的や適応とは?

 

 

それに比べて、「四点杖」は、バランスの補助の機能も有しますが、

その目的は、“体重を支持できる”点にあります。

そこで今回は、「四点杖(多点杖)」の役割や適応について解説します。

「四点杖」ってどんな杖?

「四点杖」とは、

通常の「一本杖」が床との接点を1点で支えているのに対して、

四点で支える杖なのです。

 

商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。

 

持ち手の部分は、床面と平行になるようにデザインされており、

手で体重を伝えやすい構造になっています。

 

多くは、カーボンファイバーや金属などの材質でできており、

重さや強度が異なります。

これは、対象者に合わせて選定するのが良いでしょう。

 

 

 

「四点杖」の役割とは?

「四点杖」は、「一本杖」と比べて、

床面と接している点が多く、ひいては支持基底面が大きい点が特徴です。

支持基底面に関する概念はこちらを参照ください!
「一本杖(T字杖)」の使用目的や適応とは?

 

「四点杖」そのものだけでも、

立てておくことが出来るほどに安定しているのです。

 

そのため、使用者の体重を垂直方向に受けることが可能なんです。

ある程度の体重支持が可能であることから、患肢の荷重が十分でない場合などに非常に有用となります。

 

 

 

「四点杖」使い方とは?

「四点杖」は、体重を支持できるという最大の利点を生かすためには、

正しく使用することが必要です。

 

まず、その構造上の特性から、支持点の四点を水平に接地させなければなりません。

前二点だけ接地し、後ろ二点だけ浮いていたら、反対に不安定になってしまいますよね。

そのため、凸凹のある地面や坂道での使用には向かず、屋内での使用に適しています。

 

このような特性上、早歩きで歩く際には、

逆に四点を接地させることが難しくなるため、歩行速度が速い方には不向きと言えるでしょう。

 

 

 

「四点杖」の適応とは?

「四点杖」の適応となるのは、

・患肢の支持が十分でない者
・杖を持つ上肢がきちんと使えること

などが挙げられます。

 

具体的な疾患としてよく利用されるのは、

脳血管障害(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)などを呈している方に適応が多いです。

 

もちろんそれだけではなく、

・変形性関節症
・下肢骨折の手術後
・高齢者

など、疾患に囚われず、様々な人に適応があります。

 

 

 

まとめ

今回は、「四点杖(多点杖)」の役割や適応について解説しました。

「四点杖」を街中であまり見かけない理由は、こんなところにあったんですね。

一本杖に比べて適応は少ないかもしれませんが、

適応となる方にとっては、非常に有用で画期的な杖と言えるでしょう。

杖の種類や特徴|適応や杖の選び方


スポンサーリンク
Pocket