「中足骨骨折」とは?治療期間や全治はどれくらい?
手の指と同様に、
足にも“中足骨”と呼ばれる趾の骨が存在します。
運動や事故などで骨折することが多く、
特にスポーツ選手などでは、その治療期間や全治までの期間をきちんと知っておく必要があります。
中足骨とは、足の趾それぞれの付け根の部分に相当する骨で、
第1中足骨〜第5中足骨まで、計5つの骨のことです。
「中足骨骨折」とは、
この一つ一つの骨の骨折のことで、
スポーツや、事故に伴い生じるため、
あらゆる年齢層の人が発症します。
しかしながら、趾によって骨折の仕方が異なり、
第1中足骨が骨折することは非常に稀です。
第2中足骨〜第4中足骨は、疲労骨折によって、
第5中足骨は、足関節の内反を強制されることで損傷します。
このように、「中足骨骨折」は、
骨折の部位によって、その原因が異なるとともに、
治療に要する期間、いわゆる全治までの期間も異なるのです。
そこで今回は、「中足骨骨折」の概要とともに、治療期間や全治までの期間について解説します。
Contents
“中足骨”ってどこ?
“中足骨”は、
左右の指の付け根の付近から近位に伸びる、
細長い管状骨です。
内側から、第1趾-第5趾までに対応しており、
第1中足骨、第2中足骨、第3中足骨、第4中足骨、第5中足骨となります。
「中足骨骨折」の原因は?
「中足骨骨折」は、
第1中足骨が骨折することは非常に稀であります。
主に、第2中足骨〜第4中足骨の骨折か
第5中足骨の骨折かに分けられます。
【第2中足骨〜第4中足骨の骨折】
第2中足骨〜第4中足骨の骨折の受傷機転は、
スポーツでの過用などによる疲労骨折か、重量物を落下させた場合かの受傷が大半です。
疲労骨折においては、
繰り返されるジャンプや走行によって、体重負荷に耐えられなくなることで発症します。
なお、最も発生率が高いのは、第3中足骨と言われています。
【第5中足骨の骨折】
第5中足骨の骨折の受傷機転は、
足関節を内側へ捻った際(内反捻挫)に生じます。
→足関節外側靭帯損傷(足関節捻挫)の原因や症状、治療法とは?
第5中足骨には、短腓骨筋が付着しており、
内反捻挫に抗して収縮することで、骨を牽引し剥離骨折が生じるのです。
別名“ジョーンズ骨折”、または下駄を履いた時に生じやすいことから生じやすいことから“下駄骨折”など、
様々な呼び名があります。
「中足骨骨折」の症状は?
「中足骨骨折」を受傷すると、
早期より、腫脹が出現するとともに足に体重をかける際の“疼痛”が生じます。
骨折部がずれて変形することもありますが、
踵で接地しながらであれば、歩行可能な場合もあります。
「中足骨骨折」の治療方法は?
「中足骨骨折」の治療は、
“保存療法”が主体であり、ギプスなどでの固定を行います。
疲労骨折が原因の場合には、当然ながら運動の休息が必要です。
ギプス固定期間中は、“免荷”が原則であり、
1-2週が経過したのちに、段階的に部分荷重訓練を開始します。
第5中足骨骨折の場合、
保存的な治療では完治が難しいこともあり(骨癒合が悪いため)、
経過によっては金属製のネジで固定するなどの“手術療法”が選択されることがあります。
「中足骨骨折」の治療期間は?全治はどのくらい?
「中足骨骨折」に要する治療期間は、
先に述べた1-2週の免荷期間、さらには部分荷重期間を経て全荷重へ移行するため、
比較的長期に渡ります。
疼痛自体は、2-3週程度で消失しますが、
骨癒合までの期間はおおよそ6週〜10週程度の期間を要します。
もちろんその期間には、
足部を中心とした機能低下が生じないよう、
足趾の関節可動域訓練や筋力訓練といったリハビリテーションが必須となります。
おおよそ全治にかかる期間は3ヶ月程度であり、
骨が癒合していない状態での運動への復帰は、再発を招くリスクが高く、
難治性に発展することもあるため、焦らず治すことが重要です。
スポンサーリンク