「アキレス腱断裂」に対するリハビリテーションとは?
「アキレス腱断裂」は、
主にスポーツなどによって好発します。
保存療法・手術療法いずれの場合においても、
機能回復や再発予防に向けた
【リハビリテーション】が必須となります。
“アキレス腱”は、
踵に付着し、足関節の底屈に作用する下腿三頭筋が停止部において
腱へ移行した部分のことです。
この部分の断裂を「アキレス腱断裂」と言います。
アキレス腱断裂は、主にスポーツによる外傷が中心です。
激しい疼痛とともに、足関節を下に向ける動作が困難となります。
かろうじて可能なこともありますが、
多くの場合は歩行障害が出現します。
保存療法や手術療法など、重症度により治療法は選択されますが、
いずれにせよ【リハビリテーション】による、
機能回復や再発予防が重要となります。
そこで今回は、「アキレス腱断裂」のリハビリテーションについて解説します。
Contents
「アキレス腱断裂」のリハビリテーションの目的は?
アキレス腱断裂に対するリハビリテーションの目的は、
“ギプス固定期間における機能低下の予防と、再発防止”
を図ることです。
保存療法、手術療法いずれの場合においても、
ギプスや装具を用いて、底屈位での固定を行います。
その間には、足関節の背屈運動の制限に関節可動域制限や、
筋力発揮機会の減少による筋力低下が生じます。
アキレス腱自体の修復を待ちながら、
これらの機能低下を抑制すること、
そして、再発防止に向けた動作指導やストレッチングなどが中心となります。
「アキレス腱断裂」のギプス固定は?
リハビリテーションを行う前提として、
損傷したアキレス腱自体の過度な伸長を避けなければならず、
“ギプスや装具による底屈固定”が必要です。
保存療法の場合、
ギプスや装具での固定期間は、約6〜10週間程度を要します。
荷重に関しては、床にタッチ程度の荷重から、
徐々にギプスまたは装具装着下での荷重を開始します。
裸足での荷重は11週間目以降ということになりますね。
手術療法の場合、
術後よりギプスや装具での固定期間は、約4〜8週間程度を要します。
保存療法同様に、
荷重に関しては、床にタッチ程度の荷重から開始し、
裸足での荷重は9週間目以降となります。
「アキレス腱断裂」のリハビリテーションの実際
アキレス腱断裂の治療によって生じる
ギプス固定期間は、
関節可動域制限や筋力低下などの機能低下が生じやすいです。
実際に行う内容としては、
・関節可動域訓練
・筋力増強訓練
・立位、歩行訓練
が中心となります。
関節可動域訓練
関節可動域訓練では、
ギプス固定期間は実施困難ですが、
シーネの場合や、ギプスから簡易装具へ変更した場合に開始していきます。
実際には、アキレス腱に過度の伸長が生じない範囲で
ストレッチングなどを行い、足関節の関節可動域を維持します。
また、足部や足趾なども十分に動かす機会がないので、
しっかりとモビライゼーションを行いましょう。
筋力増強訓練
ギプス固定期間中は、足関節周りの筋や腱の滑走性の低下や、
筋力の低下が生じやすいのです。
ギプスを装着し、足首が動かない時期から、
足趾の屈伸運動や、足首の底背屈運動を十分に行いましょう。
立位・歩行訓練
立位や歩行などの荷重は、
前述したギプス固定期間と、荷重のスケジュールに沿って行います。
関節可動域制限や筋力低下の有無などとの関係から、
平行棒・杖などの補助具の選択を行い、
患部への負担を考慮しながら訓練を進めていきます。
「アキレス腱断裂」の再発予防とは?
アキレス腱断裂が生じる背景には、
“アキレス腱の伸長性が低下した中での、急激な激しい運動によるアキレス腱の過度の伸長”
という要因があります。
よって、アキレス腱の再発の予防には、
「十分なアキレス腱のストレッチング」
が有効と考えられます。
手術療法は再発防止に有効です。
→「アキレス腱断裂」に対する手術療法とは?
まとめ
今回は、「アキレス腱断裂」のリハビリテーションについて解説しました。
リハビリテーションの内容は、
病院や医師の方針によって異なりますが、重要なポイントに関して解説しました。
自宅で出来る方法も多分に存在するため、
専門家の指導のもと、訓練を進めていきましょう。
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