UKAってどんな手術?TKAとは違うの?そのメリットは?
「UKA」とは、
Unicompartmental Knee Arthroplastyの略です。
日本語で言うと、
“人工膝単顆置換術”と言い、
膝関節の一部を人工物に置き換える手術です。
高齢化社会を迎えている本邦において、
加齢によって生じる骨関節系疾患は増加の一途を辿っています。
その中でも、「変形性膝関節症」は、
高齢女性の宿命とも言える骨関節系の疾患であり、
歩行をはじめとした日常生活動作を高度に制限することもあります。
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代表的な手術方法には、
“人工膝関節全置換術(TKA)”があり、
変形性膝関節における手術療法のゴールドスタンダートとなっています。
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変形性膝関節に対する手術療法として、TKAの他に、
“人工膝単顆置換術(UKA)”があります。
UKAは、あまり存在を知られていないものの、
手術侵襲が少なく、かつ様々なメリットが存在することから、
変形性膝関節に対する手術療法の第一選択としている病院も多いのです。
そこで今回は、UKAについて、その概要やメリットなどを解説します。
UKAってどんな手術?
UKAは、
関節軟骨の変性や磨耗によって疼痛の生じている膝関節に対して、
一部分のみを人工物に入れ替える手術です。
TKAは、膝関節全てを人工物に入れ替える手術なので、
入れ歯に例えると、
【TKA=総入れ歯】
【UKA=部分入れ歯】
といった感じですね!
現在日本におけるUKAのシェアは10%に満たないとされており、
多くの変形性膝関節手術にTKAが行われています。
しかしながらUKAには多くのメリットが存在し、
適応があればUKAを第一選択にするべきであり、
事実、そのシェアは増加傾向にあります。
それにもかかわらず普及しきらないのは、
その適応の判断の難しさにあるようです。
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UKAの適応は?
UKAの適応として考えられるのは、
・ACL、PCL、MCL、LCLなどの靭帯が機能している
・関節軟骨の磨耗は内側のみに限定されている
・関節変形が軽度
などが挙げられます。
適応になりにくいのは、
・関節リウマチを有する
・重度の変形や可動域制限
・内外側の関節軟骨の磨耗
が挙げられます。
これらの選択は、
患者の活動度や年齢、性格なども加味しながら熟練の医師によって判断されます。
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UKAのメリットは?
UKAには、TKAと比較して様々なメリットが存在します。
以下に一つづつ解説します。
低侵襲である
総入れ歯である”TKA”に比して、
部分入れ歯である”UKA”は、
その手術時間も出血量も、皮膚の切開創もすべて軽症であり、
手術侵襲は圧倒的に低侵襲であると言えます。
低侵襲であるということは、
術後の痛み腫脹などの炎症所見が少なく、
結果として、早期の機能回復が望めます。
実際に、TKAと比してその疼痛は、約1/3程度と言われています。
生理運動に近いキネマティクスを有する
UKAでは、膝関節周囲に存在する靭帯を温存します。
TKAにおいてはこれらは切除するため、
完全に人工関節の形態に応じた関節運動になります。
一方でUKAは、
関節構造自体が温存されるため、
もともと有する生理運動に近いキネマティクスが温存され、
患者本人も関節運動の際の違和感が少なくなります。
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まとめ
今回は、UKAについて、その概要やメリットなどを解説しました。
簡単にまとめると、
TKAに比し、UKAの方が低侵襲で回復が早いが、
その適応範囲が狭く、かつ適応の判断が難しいのです。
しかしながら、UKAが適応となる患者に対しては、
間違いなく有効な手術手技であり、今後ますます増加していくものと予想されます。
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