関節リウマチのリハビリテーション!非炎症期の運動療法とは?
「関節リウマチ」は、
“自己免疫疾患”の一つで、
【寛解】と【増悪】を繰り返しながら進行する炎症性疾患です。
関節リウマチに関する記事はこちら
→関節リウマチってどんな疾患?その原因や症状、治療方法は?
→関節リウマチの原因や、その病態とは?
治療の中心は、「薬物療法」であるものの、
各関節の機能維持・向上には、
【リハビリテーション】が必須となります。
前回は、
炎症期におけるリハビリテーションについて解説しました。
詳しくはこちら
→関節リウマチのリハビリテーション!炎症期の運動療法とは?
今回は、非炎症期における運動療法について解説します。
非炎症期における運動療法の目的は?
非炎症期とは、関節リウマチ自体の活動が下火となっている時期です。
慢性期や消退期とも呼ばれますが、
炎症が鎮静していても、関節破壊による
・疼痛
・変形
・関節可動域制限
などは残存します。
炎症期には、やや消極的ながら、
拘縮の予防や、廃用性の筋力や体力の低下に対して、
安静と運動のバランスをとりながら施行していくことが目標となります。
非炎症期においても、それらの機能維持や向上を目的とすることは同様であります。
そして、それらの機能維持・向上のみならず、
より実際の生活動作を行う上での制限因子を評価して、アプローチを行うことが重要となります。
言い換えると、より積極的に能力障害に対するアプローチに主眼をおきます。
非炎症期における運動療法の実際
移動や更衣、入浴、整容、清拭など、
日常動作を直接的に制限している機能を把握しアプローチしていくことが重要です。
とりわけ、関節可動域制限に対しては、
各方向へのストレッチングや、全可動域にわたる自動または他動運動を十分に行い、
関節可動域の維持・向上を図ります。
筋力訓練では、炎症期において「等尺性」を原則としていたものの、
徐々に【等張性】や【等速性】の運動を取り入れていきます。
具体的には、股関節や膝関節などの大関節に対して行います。
これらは、歩行という移動動作における重要な機能を担うのです。
加えて、より実践的に動作訓練を取り入れます。
上記に記載した、移動や更衣、入浴、整容、清拭などを必要によっては関節保護用のスプリントなどを使用しながら行います。
上肢においては、手の握りや肩のリーチ機能、
下肢においては、荷重機能に関する機能を実際に要求しながら実践的に行うことで、
何ができて何ができないのか、そしてどのような自助具を用いれば行えるのかなどを評価・訓練していくのです。
まとめ
今回は、非炎症期における運動療法について解説しました。
炎症期と非炎症期という時期に明確な境界線が存在するわけではないですが、
その量や質を分けて考えなければ、かえって悪化を招くこともあります。
関節リウマチのリハビリテーションは、運動療法のみならず、
生活指導や装具療法、物理療法など多岐に、そして長期に渡り行うものです。
薬物療法と合わせて長期的な視点を持って取り組んでいく必要があります。
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