関節リウマチの薬物療法!生物学的製剤とは?
「関節リウマチ」は、
数ある疾患の中でも、ここ数十年の間に飛躍的に治療法が進歩した疾患です。
とりわけ、【薬物療法】の進歩が著しく、
症状の抑制や進行を遅延させることも可能となってきているのです。
「関節リウマチ」は、“自己免疫疾患”と呼ばれ、
本来自分の身を守るはずの免疫が、
自己を攻撃することで生じる全身性の炎症性疾患です。
関節リウマチの詳しい記事はこちら
→関節リウマチってどんな疾患?その原因や症状、治療方法は?
関節リウマチの原因は、
明確には明らかになっていません。
ただし、罹患しやすい素質が遺伝的なものと考えられ、
そのような資質を持ったものが、ウイルス感染などの誘引をきっかけに発症すると言われています。
原因に関する詳しい記事はこちら
→関節リウマチの原因や、その病態とは?
関節リウマチの症状は、
全身の滑膜の炎症による【関節破壊】です。
具体的には、手指や手、足趾などの変形や疼痛、関節可動域制限であり、
それらによって日常生活動作が高度に制限されます。
症状に関する詳しい記事はこちら
→関節リウマチとは?どのような症状がある?
関節リウマチの治療法は、
・薬物療法
・手術療法
・リハビリテーション
・生活指導
の4本柱と言われ、これらを組み合わせて長期的な視点で治療を行います。
この中でも【薬物療法】は治療の柱であり、
薬の効果を主軸に、他の治療法の程度を決めていくのです。
そこで今回は、関節リウマチの薬物療法について解説します。
→関節リウマチのリハビリテーション!炎症期の運動療法とは?
→関節リウマチに対する手術療法とは?
関節リウマチに対する薬物療法とは?
関節リウマチに対する薬物療法は、
関節リウマチ治療における最も主要な治療方法です。
単に対症療法的に使用するのではなく、
長期的な視点で、オーダーメイドの処方が必要となります。
主な薬物には、
・非ステロイド系抗炎症薬
・ステロイド薬
・抗リウマチ薬
・生物学的製剤
に大別されます。
この中でも生物学的製剤は、最近承認されたもので、非常に効果が高いとされています。
非ステロイド系抗炎症薬
非ステロイド系抗炎症薬は、いわゆる消炎鎮痛薬です。
プロスタグランジンと呼ばれる炎症物質の産生を抑制することで、
疼痛や腫脹を軽減させる効果があります。
服用後から、早期に効果があるため、関節リウマチの治療においても、
最も早期に使用される薬です。
ステロイド薬
ステイロイドは、開発当時、強い炎症の抑制力から関節リウマチの特効薬として使用されました。
しかしながら、同時に強い副作用が生じることから、その使用は最小限にとどめられたのです。
現在では、活動性の高い関節リウマチの初期治療に用いられたり、
疼痛の軽減や日常生活動作の改善のために少量用いられるようになりました。
効果・副作用ともに非常に強い薬のため、
使用や服用をやめる場合にも必ず医師の指示が必要です。
抗リウマチ薬
抗リウマチ薬は、関節リウマチの免疫異常を改善させることを効果とした薬物の総称です。
最も有名なものとして、メトトレキサート(商品名:リウマトレックス)があります。
現在では、発症3ヶ月以内の早期に積極的に使用します。
また、活動性の高い関節リウマチには不可欠であり、遅効性であるも長い持続力に期待できます。
生物学的製剤
生物学的製剤とは、化学的に合成して製造するものではなく、
生体が作る物質を薬物として使用します。
関節リウマチそのものに抑制力があり、関節破壊の防止に効果を示します。
2008年より、承認され、その後は、幾つかの生物学的製剤が登場しています。
なんと90%の患者に効果があり、80%以上の患者の関節破壊の進行が止まるなど高い効果を示すそうです。
しかしながら、そんな万能薬にも幾つかの副作用があります。
・感染症
・ショック
・結核感染 etc
投与期間中は、感染リスクが非常に高い状態と言えるので、不要な外出などにも注意が必要です。
関節リウマチの診断や検査法はこちら
→関節リウマチの診断基準とは?
→関節リウマチとは?その診断や検査方法がある?
まとめ
今回は、関節リウマチの薬物療法について解説しました。
何度も言いますが、関節リウマチの治療の主役は【薬物療法】です。
リハビリテーションなども、これらの投薬情報をきちんと把握した上で、適切な負荷量設定が重要となります。
薬物療法もリハビリテーションも、長期的な視点を持って取り組んでいく心構えが必要です。
スポンサーリンク