橈骨遠位端骨折とは?受傷機転や治療方法は?
橈骨(とうこつ)は、
前腕にある二本の骨のうち、
親指側にある骨のことです。
この部位の骨折は、
【橈骨遠位端骨折】と呼ばれます。
【橈骨遠位端骨折】は、
前腕の中でも親指側にある「橈骨」の骨折です。
高齢者において頻発し、
大腿骨頸部骨折や上腕骨外科頸骨折、脊椎圧迫骨折と並んで、
高齢者が受傷しやすい「四大骨折」と言われています。
基礎疾患に「骨粗鬆症」などを有する高齢者は、
転倒などの際に手をついた衝撃で受傷します。
橈骨遠位端骨折と言っても、
骨折の方向によって、
【Colles骨折】
【Smith骨折】
に大別されます。
前者は、手関節を背屈位で接地した際に生じ、
後者は、手関節を掌屈位で接地した際に生じます。
治療方法は、
・保存療法
・手術療法
があり、その重症度などによって選択されます。
転位のない安定型の骨折であれば保存療法が適応となり、予後も良好とされます。
一方で、関節内に生じる骨折は、予後不良となりやすく、手術療法が適応となります。
今回は、高齢者に頻発する骨折の一つ【橈骨遠位端骨折】について解説します。
橈骨遠位端骨折とは?
橈骨遠位端骨折は、
手首にある二つの骨のうち、親指側にある骨の骨折です。
遠位端と言うだけに、手首に近い部分での骨折です。
年間における発生率は、10万人当たり250人程度とされており、その多くが高齢者です。
また、男性に比し、女性の方が約3倍の受傷率を有しています。
橈骨遠位端骨折と言っても、骨折の方向によって、
【Colles骨折】
【Smith骨折】
に大別されます。
前者は、手関節を背屈位で接地した際に生じ、橈骨の骨片が背側へ転位します。
後者は、手関節を掌屈位で接地した際に生じ、橈骨の骨片が掌側へ転位します。
橈骨遠位端骨折の受傷機転とは?
橈骨遠位端骨折の受傷機転として最も多いのは、
【転倒】です。
多くは、骨粗鬆症などを有した高齢者に好発します。
転倒する際に、反射的に手をつくことで受傷するのですが、
より高齢となると反射的に手が出なくなるので、反対に受傷率も低下するなどと言われます。
また、手をつく際でも、
手関節を背屈でついたら【Colles骨折】
手関節を掌屈でついたら【Smith骨折】
になるのです。
橈骨遠位端骨折の分類とは?
橈骨遠位端骨折は、大きく分けて二つの骨折型に大別されます。
「関節外骨折」
「関節内骨折」
関節外骨折とは、【Colles骨折】や【Smith骨折】のように、手関節にまたがることのない骨折です。
一方で、関節内骨折は、手関節をまたいで生じる骨折です。
関節内骨折は関節外骨折に比べて、転位や変形治癒を起こしやすいので、予後は不良とされています。
橈骨遠位端骨折の治療とは?
橈骨遠位端骨折の治療方法は、
・保存療法
・手術療法
い大別されます。
転位がない、または小さい場合は、徒手的な整復が得られる場合に保存療法が適応となります。
4〜6週間程度のギプス固定にて安静を保ちながらも、拘縮などを生じないように手指の運動などのリハビリテーションを行います。
一方で、徒手的な整復が叶わない関節内骨折などの場合には、手術療法が適応となります。
近年よく行われているのは、金属プレートとスクリューを連結出来るように特殊加工されたロッキングプレートをもちいた固定術です。
2000年前後から用いられ始め、比較的弱い骨でも整復位を良好に保つことができます。
手術でのメリットはギプス固定が不要であり、術後早期から手関節の運動などのリハビリテーションを開始出来る点です。
→橈骨遠位端骨折の保存療法に対するリハビリテーションとは?
→橈骨遠位端骨折に対する手術後のリハビリテーションとは?
まとめ
今回は、高齢者に頻発する骨折の一つ【橈骨遠位端骨折】について解説しました。
ごくごく軽微な転倒で、手首や指が動かせても「骨折」をきたしている場合もあります。
患部の腫れや疼痛などを注意深く観察するとともに、早期の病院受診をお勧めします。
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