半月板損傷に対する手術療法!種類や方法、関節鏡視下手術って何?
半月板は大腿骨と脛骨の間にある、線維軟骨です。
スポーツや交通事故などの外傷により半月板損傷をきたすことが知られています。
半月板損傷の治療法の代表的な方法に、
関節鏡視下での【手術療法】があります。
半月板損傷は、
膝関節に荷重がかかった状態での回旋ストレスによって受傷します。
多くは、交通事故やスポーツ外傷であり、
強い衝撃が加わった際には、「断裂」することも少なくありません。
半月板損傷の詳しい記事はこちら
→半月板損傷とは?原因や症状、その治療方法とは?
半月板損傷を受傷すると、翌日より炎症症状としての
・疼痛
・腫脹
などが生じ、これらが原因となって膝関節の関節可動域制限が生じます。
慢性期に関しても、膝を伸ばすときに生じる激しい痛み(ロッキング)や、荷重時の膝崩れ(ギビングウェイ)が生じることがあります。
半月板損傷の診断方法はこちら
→半月板損傷の診断方法とは?
一般に、保存療法は無効なことが多い(断裂方向による)とされ、
【手術療法】が適応となります。
また、半月板損傷の手術は、関節鏡視下で行なわれます。
代表的な手法の中に、
・切除術
・縫合術
が存在します。
そこで今回は、半月板損傷に対する手術療法について解説します。
そもそも関節鏡視下手術とは?
半月板損傷で行われる関節鏡視下手術とは一体どのような手法なのでしょうか!?
関節鏡視下手術とは、膝関節内の異常に対して、
ボールペンほどの太さの内視鏡を挿入して行う検査や手術のことです。
実際に半月板損傷の手術療法で行う切開は、8mm程度であるとされています。
関節鏡視下手術の利点として、非常に小さな穴を開けるだけで手術が行えるために、低侵襲であることです。
低侵襲であることは、術後の疼痛の減少や、入院期間の短縮に寄与し、非常に満足度の高い手術方法であります。
半月板損傷の手術療法は?
半月板損傷に対する関節鏡視下手術には大きく分けて二通りの方法があります。
・切除術
・縫合術
です。
切除術
半月板切除術には、全切除と、部分切除が存在します。
文字通り、損傷した部分を縁取るように切除する手術です。
基本的に、切除され、血行が閉ざされた場合には自然に治癒することはありません。
切除術の場合、切除された部分は、本来の半月板の機能である緩衝作用が機能しないため、
関節軟骨への負担が大きくなります。
結果として、将来的に変形性膝関節症を呈す可能性もあるため、
全切除は控えるべきであるという意見もあります。
→変形性膝関節症(膝OA)とは?治る疾患なの?リハビリテーションの内容は?
術後翌日から歩行が可能となり、
入院期間は最短で4日程度です。
また、スポーツ復帰も1〜2カ月程度で可能となります。
縫合術
半月板縫合術とは、損傷された半月板を、辺縁の血流のよい部分と縫合する手術です。
血流が保たれている部分では、再生が期待でき、もともと有していた半月板の機能回復が再獲得できるのです。
ただし、縫合した半月板の安定には6週間程度の時間を要するために、歩行は可能となりますが、半月板の伸長を引き起こす最大屈曲などを制限することがあります。
入院期間は、2週間程度必要で、
スポーツ復帰も3カ月程度と、切除術よりも長期的な経過をたどります。
半月板損傷に対するリハビリテーションはこちらから
→半月板損傷における手術療法後のリハビリテーション方法は?
まとめ
今回は、半月板損傷に対する手術療法について解説しました。
関節鏡視下手術は、侵襲も少なく、疼痛の軽減や入院日数の短縮に非常に効果的です。
海外では、日帰り手術なども可能と言われています。
そろそろ日本でも、日帰り手術が可能となる日が来るのではないでしょうか…
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