変形性足関節症の手術療法とは?どんな種類がある?
変形性足関節症は、足関節を構成する骨同士が磨耗や変性することで発症する退行性の疾患です。
歩行や階段昇降時の疼痛を認め、
日常生活動作も高度に制限されることがあります。
変形性足関節症の治療方法として最も代表的な方法は、
【手術療法】です。
変形性足関節症は、
“足関節の軟骨同士のすり減りによって、関節裂隙の狭小化が進み、荷重時の疼痛を主症状とする退行性の疾患”です。
痛みだけでなく、腫脹や変形などの症状も出現し、
歩行を中心として、日常生活動作も高度に制限されます。
変形性足関節症に関する詳しい記事はこちら
→変形性足関節症とは?原因や症状、治療方針は?
変形性足関節症の治療方法は大きく分けて2つです。
・保存療法
・手術療法
症状が軽度で、変形も進んでいない場合は、保存療法を選択して進行を遅らせることも可能です。
しかしながら、変形や疼痛が重度の場合、【手術療法】が適応となります。
代表的な【手術療法】として、
・足関節固定術
・人工足関節全置換術
が挙げられます。
それぞれ、メリットやデメリット、適応などがあります。
そこで今回は、変形性足関節症の手術療法について詳しく解説します。
Contents
足関節固定術とは?
変形性足関節症に対する手術療法である足関節固定術とはどのような方法なのでしょうか!?
読んで字のごとく、
「足関節を固定する手術」です。
固定方法は二つ存在し、
(1)距骨下関節に関節破壊を有する場合は、髄内釘を用いて足関節と距骨下関節の同時固定(二関節固定)
(2)距骨下関節に関節破壊が無く、足関節のみに関節破壊を有する場合は、足関節のみを固定(一関節固定)
(1)は、術後成績も良好で、重度の変形にも適応となります。
一方、(2)は関節鏡などを用いた最小侵襲手術も可能です。
このような方法で足関節を固定するのですが、
「固定したら動かせないじゃないか…!?」
と思う人もいるでしょう。
事実、固定した部分は可動することはありません。
しかし足関節の動きが制限されても、
足趾や前足部の関節の動きで代償が可能となるために、
足全体の動きとしては全く動きが失われるということはないのです。
ただし、片側のみの施行が原則であり、両側の固定術は歩行などへ大きな支障が出るとされています。
このような手術は、主に、若年層などの働き盛りの人に適応があります。
人工足関節全置換術とは?
変形性足関節症に対する手術療法である人工足関節全置換術は、
「人工物の足関節に置き換える手術」です。
股関節や膝関節などにおいても人工関節置換術はよく行われている手法です。
→変形性膝関節症の手術療法「TKA」とは?他にも手術の種類があるの?
→変形性股関節症の手術療法とは?どんな種類や方法がある?
足関節固定術と違って、足関節自体の運動が制限されることはありません。
また、除痛が最も主要な効果として挙げられます。
しかしながら、人工物であり、一定の期間が経過することで再置換の可能性があります。
また、変形が重度の場合は適応とならない場合が多いのです。
つまり、足関節の変形の大きくなく、ある程度活動性の低い高齢者に適応となります。
まとめ
今回は、変形性足関節症の手術療法について詳しく解説しました。
年齢や重症度、活動度などに応じて適応があるようですね。
いずれにしても重要なのは、手術で完結するのではなく、術後のリハビリテーションに励み、再び日常生活動作を取り戻すことです。
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