介護保険って何歳から取得が可能?変形性関節症や脊柱管狭窄症は?
「変形性関節症なんですけど、介護保険は利用できるのでしょうか?」
病院などで人工関節を受けた方などからよく受ける質問です。
まず、介護保険では適応となる年齢が存在します。
「介護保険」とは、
“寝たきりや要介護状態など、介護を事由としてして支給される公的な保険制度”
です。
日本ではドイツにおけるモデルを参考にし、
平成12年(西暦2000年)より施行されました。
簡単に解説すると、加齢によって生じる、
食事や排泄、入浴などの日常生活動作が要介護状態となった場合、
または身体機能の低下によって機能訓練が必要となった場合、
自立した生活を行うために特定の用具が必要となった場合などに、
それに見合ったサービスを受けることが出来ます。
無論、無料ではないですが、
要介護度と呼ばれる階級に応じたサービス限度額があり、
利用したサービスの原則1割が実費負担となります。
みなさんに馴染みのあるサービスといえば、
・デイサービス、デイケア
・ホームヘルパー
などは介護保険で利用できるサービスです。
では、このような介護保険サービスは誰でも利用することができるのでしょうか?
また、変形性関節症や、脊柱管狭窄症などの整形外科疾患を有している人も、
その対象になるのでしょうか?
介護保険って何歳から利用できるの?
介護保険の利用者って、
“高齢者が受けるもの”
というイメージがありませんか?
実際にそれは間違っておりません。
介護保険は40歳になると加入し、
健康保険料と同時に介護保険料を納めなければなりません。
介護保険には、第1号被保険者と第2号被保険者があり、
65歳以上の人が第1号被保険者、
40歳以上で65歳未満の人が第2号被保険者となります。
基本的に介護保険を受けられるのは、
第1号被保険者の中で、要介護状態であるという認定を受けることでサービスを受けることができます。
この場合は、疾患の有無に関わらず、要介護状態の認定を受ければ良いわけです。
サービス取得の流れはこちらを参考にしてください!
→人工関節でも介護保険取得できる?取得の流れとは?
では、第1号被保険者以外の場合はどうなのでしょうか?
まず、第1号被保険者または、
第2号被保険者にも該当しない40歳未満の場合には、介護保険を利用することが出来ません。
ただし、第2号被保険者の場合には以下のような条件を満たすことで介護保険の利用が可能です。
第2号被保険者の介護保険利用の条件とは?
第2号被保険者は、
特定の疾患が原因で要介護状態になった場合に、
介護保険の利用が可能となります。
この年代でも要介護状態になることは少なくないですからね。
特定の疾患とは、厚生労働省のHPによると以下の疾患が該当します。
がん【がん末期】※(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
関節リウマチ※
筋萎縮性側索硬化症
後縦靱帯骨化症
骨折を伴う骨粗鬆症
初老期における認知症
進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病※【パーキンソン病関連疾患】
脊髄小脳変性症
脊柱管狭窄症
早老症
多系統萎縮症※
糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
脳血管疾患
閉塞性動脈硬化症
慢性閉塞性肺疾患
両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
(※印は平成18年4月に追加、見直しがなされたもの)
この中には、
関節リウマチや脊柱管狭窄症、骨粗しょう症、変形性関節症などの整形外科疾患も含まれます。
ただし、変形性関節症に関しては、
“両側であること”
“著しい変形を伴うこと”
の2点が明記されているため、実際に取得できるかどうかは医師などに確認してみる必要がありそうですね。
【変形性膝関節症】に関する記事はこちら
→変形性膝関節症(膝OA)とは?治る疾患なの?リハビリテーションの内容は?
→変形性膝関節症の手術療法「TKA」とは?他にも手術の種類があるの?
【変形性股関節症】に関する記事はこちら
→変形性股関節症って治るの?原因や症状、治療方法とは?
→変形性股関節症の手術療法とは?どんな種類や方法がある?
【脊柱管狭窄症】に関する記事はこちら
→腰部脊柱管狭窄症とは?原因や症状、その治療方法は?
→腰部脊柱管狭窄症における手術療法の種類や方法とは?
まとめ
今回は、介護保険を利用可能な年齢や、それ以下の人が取得するための条件などをまとめました。
第1号被保険者は問答無用で該当しますが、
第2号被保険者は特定疾患を有している場合に適応となることですね。
その判断は患者個人で行うことが出来ないため、
要介護状態に該当するかどうかなども、医師に相談してみると良いですね。
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