「膝蓋軟骨軟化症」の診断方法や重症度分類、合併症とは?
膝蓋骨とは、いわゆる“膝のお皿”です。
膝関節は人体にある関節の中でも、
特に痛みなどの症状が出現しやすい関節です。
その中の一つに、
「膝蓋軟骨軟化症」という疾患があります。
「膝蓋軟骨軟化症」とは、
“膝蓋骨の裏側の軟骨が、変性して軟化する”
疾患です。
膝関節の中でも、
膝蓋大腿関節間の病態であり、
運動習慣のある女性に好発します。
(別名:ランナー膝)
軟骨が軟化することで、
膨隆したり、亀裂が生じることがあります。
はじめは膝関節の違和感程度の症状ですが、次第に疼痛が生じ、
スポーツはおろか、階段昇降などの日常生活動作までもが困難となることがあります。
若年の女性に好発するという資質的な要素に加えて、
ランニングやジャンプなど、
スポーツによって繰り返される力学的負荷が原因の一つになります。
また、もともとX脚や扁平足を呈していること自体も危険因子として挙げられています。
今回は、「膝蓋軟骨軟化症」の診断方法や重症度分類、合併症などについて解説します。
「膝蓋軟骨軟化症」の診断方法は?
「膝蓋軟骨軟化症」の診断方法は、
以下の方法にて特有の症状の出現を確認します。
①「膝蓋骨を圧迫した状態で膝の屈伸をした時に、膝蓋骨の痛みやひっかかり、ザラつき感を感じるか」
②「痛みのある脚で片脚立位をし、その状態で屈伸をした時にポキポキといった音がするか」
この2点を確認します。
この点に関して陽性であれば、本疾患が疑われます。
同時に画像所見として、
・関節造影
・MRI
・関節鏡
などを用いた所見によって軟骨病巣が確認できれば、確定診断がなされます。
「膝蓋軟骨軟化症」の重症度分類は?
「膝蓋軟骨軟化症」の重症度分類は、
以下の4つのグレードに分類されます。
グレードが高くなるほどに重症度が増していきます。
グレードⅠ(軽度):膝の軟骨が柔らかくなった状態
グレードⅡ(中程度):膝の軟骨が柔らかくなり、軟骨表面に異常を認める状態
グレードⅢ(重度):軟骨が擦り減り薄くなり、変形が進行している状態
グレードⅣ(重篤):軟骨の擦り減りがひどく、膝蓋骨が露出している
「膝蓋軟骨軟化症」の合併症は?
「膝蓋軟骨軟化症」の合併症に、
“膝蓋骨の亜脱臼”があります。
膝蓋骨の亜脱臼は、
膝蓋骨が外側に変異して亜脱臼を起こしている状態です。
膝の痛みはもとより、膝の不安定性が強く、
力が入らないなどの状態となります。
「膝蓋軟骨軟化症」の原因や症状、治療法についてはこちら
→「膝蓋軟骨軟化症」の原因や症状、治療法とは?サポーターが有効?
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