鎖骨骨折に対するリハビリテーションとは?
「鎖骨骨折」は、
激しいコンタクトを有するスポーツに多発する外傷です。
基本的には、
“保存療法”が適応となりますが、
同時に【リハビリテーション】を併用して行います。
「鎖骨骨折」は、
頸部の付け根の両側より左右に付着する“鎖骨”の骨折です。
多くは、激しいコンタクトを有するスポーツに多発する外傷ですが、
小児などでは、手をついての転倒なども受傷機転となります。
鎖骨は、特に外側1/3部分が脆弱となっており、
鎖骨骨折の8割がこの部分の骨折となります。
詳しくはこちら
→「鎖骨骨折」とは?原因や治療方法とは?
多くの場合、
“保存療法”が適応となりますが、
同時に種々の機能改善や機能低下の防止を目的とした
【リハビリテーション】が行なわれます。
そこで今回は、鎖骨骨折に対するリハビリテーションについて解説します。
鎖骨骨折のリハビリテーションのリスクとは?
鎖骨骨折は、粉砕や多数の骨片の転位を認めない限り、
“保存療法”が適応となります。
この期間は、骨の癒合を待つ時期であり、
不用意な骨への負荷は転位を招く恐れがあります。
また、鎖骨外側には、
・大胸筋
・三角筋
などの上肢筋群が付着する部位でもあり、
過度な筋収縮も転位を招く原因となります。
そのため、“鎖骨バンド”と言われる専用のバンドで固定し、
リハビリテーションもその固定がある状態で行うことが原則となります。
鎖骨骨折のリハビリテーションの目的は?
鎖骨骨折に対するリハビリテーションの目的は、
“鎖骨バンド固定による不動に対する機能低下の予防”
が挙げられます。
鎖骨バンド固定期間は、
肩甲帯や上肢の運動が制限されます。
そのため、不動などによる
関節可動域制限、さらには拘縮が進行する可能性があるため、
運動療法による適切な管理によって、
これらを予防していく必要があるのです。
鎖骨骨折のリハビリテーションの実際
鎖骨骨折に対するリハビリテーションでは、
主に、
・関節可動域訓練
・筋力増強訓練
などといった機能訓練が中心です。
具体的には、
頸部や肩甲帯周囲筋のリラクゼーションや、
肩関節のモビイゼーションなどを行います。
受傷早期には、
上肢の挙上(屈曲90°以上)で鎖骨の回旋が生じるので、
関節運動自体は避ける方が良いです。
4週以降、仮骨が形成されてから、
徐々に関節の運動を行います。
同様に筋力増強訓練は、
仮骨の形成が行われたのち、
ローテーターカフ(回旋筋腱板)を中心とした筋力訓練によって、
再び上肢機能の改善を図ります。
まとめ
今回は、鎖骨骨折に対するリハビリテーションについて解説しました。
日常生活場面でも、
上肢の挙上運動などを何気なく行うこともありますが、
これらにも十分注意がいるので、生活指導も合わせて行う必要があります。
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