関節リウマチに生じる合併症とは?
「関節リウマチ」は、
“自己免疫疾患”の一つで、
全身の関節に生じる炎症性疾患です。
関節症状が主であるものの、
幾つかの【合併症】に注意しなければいけません。
「関節リウマチ」とは、
膠原病の一種で、“自己免疫疾患”に数えられます。
30歳〜50歳代の女性に好発します。
明確な原因は明らかではないものの、遺伝的な要素の関与が示唆されています。
関節リウマチの詳しい記事はこちら
→関節リウマチってどんな疾患?その原因や症状、治療方法は?
→関節リウマチの原因や、その病態とは?
関節リウマチの症状の主体は、
「関節破壊」による関節症状です。
具体的には、手指や手、足趾などの小関節における
・疼痛
・変形
・関節可動域制限
であり、これらによって、日常生活動作も高度に制限されます。
しかしながら、実は関節症状のみではないことをご存知ですか!?
関節リウマチは、全身の炎症性疾患であり、
関節のみならず、たくさんの臓器に変化を起こす全身病なのです。
そこで今回は、関節リウマチに生じる【合併症】について解説します。
関節リウマチの合併症とは?
関節リウマチにおいて、最も顕著な症状は、
【関節破壊】による関節症状です。
しかしながら、関節の炎症を発症したのちに注意しなければならない合併症があります。
それらは、関節外症状に該当するのですが、
主に、
・慢性の炎症に起因する
・投薬の副作用による
上記2点が原因となる場合があります。
貧血
関節リウマチを有している患者の約半数に発症するのが、
「貧血」です。
関節リウマチによる長期の炎症によって、
「体内における赤血球の産生作用の低下」や、「薬剤の副作用」、「胃炎や胃潰瘍による微小出血」などが生じ、貧血が引き起こされるのです。
皮下結節
皮下結節は皮膚に生じる合併症の一つで、リウマトイド結節とも呼ばれます。
臀部や肘、後頭部などの皮下に出現しますが、
疼痛などは認めません。
肺線維症
肺線維症は、呼吸器合併症の一つです。
長期間の肺へのダメージの蓄積によって、
肺が繊維化し、十分なガス交換が行えなくなります。
息切れや呼吸困難などを呈します。
肺線維症のみならず、間質性肺炎、胸膜炎、結節性肺病変、気管支拡張症、細気管支炎、肺炎などの呼吸器合併症に注意が必要です。
心膜炎・胸膜炎
心臓を包む膜を心膜と呼び、
肺を包む膜を胸膜と呼びます。
この膜が炎症を起こします。
シェーグレン症候群
シェーグレン症候群は、関節リウマチと同様に膠原病の一種です。
目や口が渇くといった乾燥症状がメインとなります。
詳しい解説はこちらを参照ください
→シェーグレン症候群とは?初期症状や寿命は?過去には芸能人も…
腎炎
腎炎は、泌尿器系に生じる合併症です。
間質性腎炎、アミロイド腎症、糸球体腎炎、尿路結石、膀胱炎などが存在し、
関節リウマチ自体の合併症であるものもあれば、
薬剤の副作用、またはシェーグレン症候群の合併症であるものあります。
まとめ
今回は、関節リウマチに生じる【合併症】について解説しました。
実は、これらの合併症が進行し、難治性または、重篤な症状や病態と化した場合を、
【悪性関節リウマチ】と言うそうです。
関節リウマチより関節外症状が強く、予後もやや不良とされてます。
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