関節リウマチとは?その診断や検査方法がある?
「関節リウマチ」は、
医療関係者のみならず、よく耳にする疾患かと思います。
直接的に命の危険を脅かす疾患ではないものの、
関節破壊から生じる疼痛や変形、関節可動域制限は、
日常生活動作を高度に制限するものです。
「関節リウマチ」は、
“自己免疫疾患”の一つです。
自己免疫疾患とは、本来自分の身を守るための免疫反応が、
何らかの異常によって「自分を攻撃してしまう」のです。
関節リウマチの詳しい記事はこちら
→関節リウマチってどんな疾患?その原因や症状、治療方法は?
このような病態の原因は明らかではないが、
遺伝的な要因の関与に環境因子が加わって発症すると考えられています。
関節リウマチの原因に関する記事はこちら
→関節リウマチの原因や、その病態とは?
関節リウマチの代表的な症状には、
【関節破壊】があります。
全身の関節の滑膜の炎症をきたすことで、
疼痛や腫脹が生じ、徐々に変形や関節可動域制限が進行します。
特に手指や手の症状が著しいことや、30歳〜50歳代の女性に好発することから、
調理や洗濯、掃除などを含む家事全般に多大な障害をきたします。
詳しい症状はこちらから
→関節リウマチとは?どのような症状がある?
ところで、関節リウマチってどのような検査から診断されるかご存知ですか!?
手指や手関節の腫脹や疼痛は初期症状なのですが、このような症状は他の疾患でも起こりえますよね。
そこで今回は、関節リウマチの検査方法などを解説します。
関節リウマチの検査方法とは?
関節リウマチの検査方法には、
・手のX線検査
・超音波画像診断
・血液検査(血清リウマトイド因子・赤沈・CRP ・MMP-3・抗CCP抗体 etc)
などがあります。
単純に症状のみでの判断では、「線維筋痛症」や「全身性エリテマトーデス」などのような類似した疾患と鑑別できないこともあります。
ちなみに関節リウマチの診断基準はこちら
→関節リウマチの診断基準とは?
手のX線検査
X線検査では、関節裂隙の狭小化や骨の強直などの関節障害の進行の程度を検査します。
しかしながら、症状の初期では明確な兆候が現れないことが多く、
ベテランの意思でもかなり診断は難しいそうです。
実際には、初期の関節リウマチの50%が陰性であり、
最終的には、80%が陽性になるとのことです。
なお、X線検査のみならず「MRI検査」も有効です。
ただし、X線検査のみでは、他の膠原病などでも陽性になることがあるので、注意が必要です。
超音波画像診断
上記のX線検査での診断が難しい場合、
最近では超音波画像診断が効果を上げています。
超音波画像診断では、X線では見つかることができない「骨破壊」の前兆である
「滑膜炎症」を早期に発見できるのです。
血液検査
血液検査では、主に
・血清リウマトイド因子
・赤沈
・CRP
・MMP-3(マトリックスメタロプロアターゼ-3)
・抗CCP抗体
などの指標から関節リウマチによって生じている炎症を評価します。
【血清リウマトイド因子】
血清リウマトイド因子は、変性したIgGのFc領域に対する自己抗体です。
関節リウマチの約8〜9割の患者で陽性を示します。
全身性エリテマトーデスなどでも陽性になることがあるので注意が必要です。
正常値は15mg/dl以下とされています。
【赤沈】
赤沈とは、赤血球沈下速度と呼ばれ、
一時間の間に赤血球が沈下する速度により炎症反応を見る検査です。
正常値は、男性で1〜10mm、女性で2〜15mm程度とされています。
【CRP】
CRPは、血液中に含まれる「C反応性たんぱく」の含有量を調べることで、
炎症反応を見る検査です。
C反応性たんぱくは、炎症症状が生じると「2~3時間」という短時間に急激に血中量が増加する特徴を持っています。
更に、「2~3日間」で血中量がピークに達し、ピーク後は急速に血中量が低下していきます。
CRPの正常値は、0.3mg/dl以下です。
【MMP-3(マトリックスメタロプロアターゼ-3)】
MMP-3は、関節リウマチで早期から上昇を認める関節破壊マーカーです。
発症1年以内の早期の関節リウマチ患者でも高値を示します。
痛風や変形性関節症との鑑別に便利です。
正常値は、男:36.9~121.0 ng/ml、女:17.3~59.7 ng/mとされています。
【抗CCP抗体】
抗CCP抗体は、関節リウマチを検出するためにより鋭敏な方法として登場しました。
抗CCP抗体が高値である場合、将来関節リウマチになる可能性が95%と非常に高いそうです。
なお、正常値は4.5未満とされています。
変形や疼痛に対する治療法には手術療法があります。
→関節リウマチに対する手術療法とは?
まとめ
今回は、関節リウマチの検査方法などを解説しました。
様々な検査方法がありますが、関節リウマチの診断には、
どうやら単一の検査では難しいようです。
特に初期では、類似疾患と混同してしまうこともあるため、幾つかの検査との複合的な診断が必要なようですね。
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