足関節外側靭帯損傷(足関節捻挫)に対するリハビリテーションとは?

    
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「足の捻挫」は、スポーツ選手のみならず、

普段生活しているだけでも生じることがありますよね。

このような軽微な損傷であれば特別な治療の必要はありません。

ただし、競技復帰を目指す場合や、高度の不安定性が残存する場合は、

リハビリテーションの適応となります。

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「足の捻挫」は、

正式には、【足関節外側靭帯損傷】と呼ばれています。

 

足関節外側靭帯損傷は、

前距腓靭帯(ATFL)
・踵腓靭帯(CFL)
・後距腓靭帯(PTFL)

があります。

 

3つの靭帯の中でも、特にATFlの単独、

またはATFL+CFLの複合損傷が殆どです。

詳しくはこちらを参照ください!
足関節外側靭帯損傷(足関節捻挫)の原因や症状、治療法とは?

 

 

受傷原因の多くは、スポーツなどによって、

“荷重下における足関節の底屈+内返し”

が強制された際に生じます。

多くの場合は、保存療法が適応となりますが、

競技復帰を目指す場合、または高度に不安定性が残存する場合には、

【手術療法】が適応となることがあります。

 

 

保存療法、手術療法いずれの場合においても、

足関節の機能改善を目指すのはもちろんのこと、

再発予防が重要となります。

そこで今回は、足関節外側靭帯損傷(足関節捻挫)に対するリハビリテーションについて解説します。

足関節外側靭帯損傷に対するリハビリテーションとは?

足関節外側靭帯損傷に対する治療方針は、

受傷の重症度によって決められます。

重症度分類はこちらを参照ください!
足関節捻挫(足関節外側靭帯損傷)の分類や手術適応とは?

 

保存療法、手術療法いずれの場合においても、

リハビリテーションが適応となります。

 

リハビリテーションにおいては、

足関節の機能改善を目指すのはもちろんのこと、再発予防が重要となります。

いかに、保存療法・手術療法それぞれのリハビリテーションのポイントを解説します。

 

 

 

保存療法のリハビリテーション

保存療法におけるリハビリテーションのポイントは、

「受傷靭帯の伸長」に留意しながら進める必要があります。

 

完全断裂のような場合は手術適応になるので良いですが、

部分断裂の場合に、さらなる受傷靭帯の伸長は症状の悪化を招きます。

 

そのため、テーピングまたはサポーターなどによって、

足関節の【内反】を制動します。

 

このような固定期間は、受傷靭帯によって異なります。

また、例えば好発するATFLなどでは、内反方向へ運動が起きなければ良いので、

早期より【背屈】運動を実施し、不要な筋力低下や関節可動域制限を予防します。

 

症状の改善に合わせて筋力訓練の強度を増していきます。

特に再発防止に向けて重要なのは、

【長・短腓骨筋】【小趾外転筋】です。

 

力学的に強度を失ってしまった靭帯は自然回復することがないため、

再発しないためにも、外反方向に作用する筋肉を鍛えることによって代償するのです。

 

 

 

手術療法のリハビリテーション

手術療法の靭帯は、再建後であるが、

早期には力学的強度が不十分であるため、保存療法同様に受傷靭帯の過度な伸長は控えます。

 

多くは2週間の固定期間を経て、

足関節の関節可動域訓練や、装具装着下での歩行訓練を開始します。

 

注意が必要なのは、過度な蹴り出しによる足関節の底屈運動であり、

受傷靭帯の過度な伸長を生じることがあります。

 

保存療法同様に、再発予防に向けて、

【長・短腓骨筋】【小趾外転筋】の筋力強化が重要です。

 

さらに、スポーツ復帰などを考慮して、

Dyjoc訓練や、ジョギング、さらには各スポーツの特性を組み込んだ運動療法を実施します。

 

 

 

まとめ

今回は、足関節外側靭帯損傷(足関節捻挫)に対するリハビリテーションについて解説しました。

不十分な筋力の回復での早期のスポーツ復帰は致命傷と言わざるをえません。

再発こそが最も防がなければならないことです。

十分に時間をかけてスポーツ復帰を目指しましょう。


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