臼蓋形成不全に対する評価「CE角」と「Sharp角」って何?
「臼蓋形成不全」は、
股関節を構成している、骨盤の臼蓋の形成不全です。
本来であれば、臼蓋に対して大腿骨の骨頭が収まるのですが、
臼蓋形成不全があると、骨頭の被りが浅く、
将来的に【変形性股関節症】に発展する可能性があります。
→変形性股関節症って治るの?原因や症状、治療方法とは?
→変形性股関節症の手術療法とは?どんな種類や方法がある?
「臼蓋形成不全」とは、
骨盤の臼蓋の形成不全によって、
大腿骨の骨頭の被覆が乏しくなっている状態です。
このような状態での股関節の使用は、
臼蓋と骨頭との間の摩擦による軟骨の磨耗や、
変形、関節可動域制限の原因となります。
また、【疼痛】が出現すると、
立位や歩行などの日常生活動作が制限されます。
臼蓋形成不全の詳しい記事はこちら
→臼蓋形成不全とは?痛みはある?治療法は?
そんな臼蓋形成不全ですが、
その診断に際しては、
「CE角」と「Sharp角」と呼ばれるレントゲン上の指標が用いられます。
Contents
「CE角」とは?
「CE角」とは、
Center-edge角の略称です。
両側の大腿骨頭の中心を結ぶ線の延長線上に垂線を下ろし、
垂線と臼蓋の外側縁と大腿骨頭中心を結ぶ線を「CE角」と言います。
臼蓋と大腿骨頭との相対的な位置関係を表すものです。
正常値は、年齢によっていくらか差異があります。
4歳〜:+15°以上
15歳:+20°以上
成人:+25°以上
と言われています。
なお、角度が低ければ低いほど、大腿骨頭に対する臼蓋の被りが浅いということになります。
「Sharp角」とは?
「Sharp角」とは、
Acetabular angleと呼ばれます。
成人臼蓋の形成度を表す指標です。
「Sharp角」は、骨盤の左右に存在する涙痕(tear drop)下端を通過するように引いた水平線と、涙痕と臼蓋の外上縁を結ぶ線との間でなす角度です。
正常値は、33〜38°程度で、
40°を超えると臼蓋形成不全の診断となります。
まとめ
今回は、臼蓋形成不全の指標である「CE角」と「Sharp角」について解説しました。
いずれも、レントゲン上から判断できる指標ですので、
医師のみならず、骨頭の被覆状態を把握するためには、理学療法士なども必須の知識となります。
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