膝周囲の靭帯損傷とは?症状や原因、治療方法は?

    
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膝周囲の靭帯損傷とは、膝に存在する4つの靭帯の損傷のことを指します。

これらの靭帯は、大きな外力が作用することによって部分的な断裂、もしくは完全に断裂することがあり、

多くは若者に好発するスポーツ外傷です。

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膝関節には、

・前十字靭帯(ACL)
・後十字靭帯(MCL)
・内側側副靱帯(MCL)
・外側側副靭帯(LCL)

合計4本の靭帯が存在しています。

これらはいずれも、膝関節の安定に寄与し、それぞれが各方向への制動の作用があります。

 

 

これらの靭帯は、強力な外力によって損傷を受けます。

その多くは、スポーツによる外傷です。

・タックルなどによる接触性要因
・急激な方向転換やジャンプ後の着地による非接触性要因

があり、

靭帯によって受傷機転も異なります。

 

 

靭帯損傷の治療方法は、大きく分けて

・保存療法
・手術療法

に大別されます。

これには、各靭帯の特性によってどちらが選択されるかが異なります。

例えば、十字靭帯の損傷では競技復帰に向けて手術療法が選択されるのに対し、

内側側副靱帯損傷では、ギプスなどによる固定などの保存療法で完治が可能です。

いずれの場合も、リハビリテーションなどによって、適切な機能回復を図り、競技復帰を目指すことが重要です。

今回は、膝周囲の靭帯損傷について、靭帯ごとに症状や原因、治療方法などについて解説します。

前十字靭帯(ACL)損傷とは?

前十字靭帯損傷は、膝関節に外旋力が加わることで損傷します。

非接触性の要因が大き、単独損傷に加えて約50%程度の割合で、

半月板損傷を伴います。

半月板損傷とは?原因や症状、その治療方法とは?

 

受傷時は激痛とともに、断裂音が確認できます。

慢性期にも歩行することは可能ですが、

膝崩れ(ギビングウェイ)を認め、保存療法で完治することは難しいとされています。

 

そのため、治療の多くは「手術療法」が選択され、

靱帯再建術が施行されます。

術後のリハビリテーションを継続しても、競技復帰までに最短で6週間以上要すと言われています。

 

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後十字靭帯(PCL)損傷とは?

後十字靭帯損傷は、交通事故やスポーツ外傷などにより生じる疾患です。

運転中の急停止などで、

膝関節90°屈曲位の肢位から、脛骨に直達外力を受け損傷する

「ダッシュボードインジュリー」が有名です。

 

損傷後は、膝窩部の激痛や皮下出血を認めます。

慢性期にも膝自体の機能障害は軽度な場合が多いですが、

脛骨の後方へのストレスでの不安定性が残存します。

 

単独損傷の場合は、保存療法が適応となることもありますが、

後方への不安定性が強い場合は、ハムストリングスの腱を用いた再建術が施行されます。

予後は概ね良好であるとされています。

 

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内側側副靭帯(MCL)損傷とは?

内側側副靭帯損傷は、膝の靭帯損傷の中でも最も頻度が高いです。

膝関節に強力な外反力が加わることで受傷し、

多くはスポーツ外傷によるものです。

 

損傷後は、靭帯付着部の圧痛を認め、

外反ストレスを加えることでも疼痛や不安定性を認めます。

また、単独損傷のみならず、半月板損傷を伴う場合も少なくありません。

半月板損傷とは?原因や症状、その治療方法とは?

 

内側側副靭帯の単独損傷の場合、その治癒力の高さから保存療法が適応となります。

膝装具を装着し、筋力トレーニングなどの運動療法を継続することで完治を目指します。

ただし、高度な外反不安定性を呈す場合には、

自家大腿筋膜を用いた再建術が適応となる場合があります。

 

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外側側副靭帯(LCL)損傷とは?

外側側副靱帯損傷は、他の靱帯損傷に比してその頻度は低いです。

膝関節に強力な内反力が加わることで受傷しますが、

単独損傷は稀であります。

 

損傷後は、損傷部の圧痛や内反ストレスによる疼痛の増強があります。

慢性期においても内反ストレスによる不安定性を認めます。

 

外側側副靭帯損傷の単独損傷では、保存療法が適応となり、筋力トレーニングなどによる膝関節の安定化を図ります。

一方で、膝関節後外側支持機構の損傷を合併している場合には、再建手術が適応となります。

 

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まとめ

今回は、膝周囲の靭帯損傷について、靭帯ごとに症状や原因、治療方法などについて解説しました。

靭帯ごとに特性があり、一概に同様の治療方法が適応になるわけではありません。

その中でも靭帯損傷は、膝の安定に寄与する重要な靭帯の損傷であることから、

競技復帰にはそれなりの時間がかかる点で共通しています。

焦らずに、しっかりと完治させることが再発予防の観点からも重要となります。


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