胸椎圧迫骨折とは?腰椎圧迫骨折との違いは?コルセットの期間は?
「胸椎圧迫骨折」とは、
脊椎圧迫骨折の中の一つで、
【胸椎】に生じる骨折です。
部位による違いですが、
胸椎圧迫骨折よりも「腰椎圧迫骨折」が頻度が高く多発する疾患です。
これらには違いはあるのでしょうか!?
「胸椎圧迫骨折」とは、
胸椎に生じる圧迫骨折です。
圧迫骨折は文字通り、何らかの外力などで、
脊椎に圧迫力が加わった際に「潰れる」ようにして骨折することです。
胸椎は、腰椎よりも上位に位置している椎骨です。
それぞれの圧迫骨折の頻度を比べると、
圧倒的に腰椎圧迫骨折の頻度が高いと言われています。
ただし、その原因は、交通事故や転倒・転落、スポーツ外傷、
さらには、くしゃみや特別の誘引のない受傷など、
両者は共通しています。
また、その症状は、
【疼痛】を主症状として、
重症化した場合には、
「運動麻痺」や「痺れ」などの神経症状が出現するなどの特徴も類似しています。
しかしながら胸椎圧迫骨折と腰椎圧迫骨折には、異なる点も存在しているのです。
胸椎圧迫骨折と腰椎圧迫骨折の違いは?
胸椎圧迫骨折と腰椎圧迫骨折は、
当然ながら、骨折部位が異なります。
以下の図をご覧ください!
脊柱は上から順に、
頚椎、胸椎、腰椎と並んでおり、胸椎は、腰椎より上位に位置しています。
実は、この高さの違いこそが、
胸椎圧迫骨折と腰椎圧迫骨折の違いを生み出す要因の一つです。
この二つの大きな違いとは、
保存療法で用いられるコルセットの違いです。
上位の胸椎の損傷では、通常腰椎圧迫骨折で用いられる軟性コルセットでは高さが保証できないため
固定が出来ないのです。
圧迫骨折に用いられるコルセットはこちら
→腰椎圧迫骨折の保存療法!コルセットの効果とは?
胸椎圧迫骨折で用いられるコルセットは、
【ジュエット型硬性コルセット】と呼ばれます。
胸骨パッドと背部パッド、そして恥骨パッドの三点からなり、
主に「前屈」を制限することが目的となります。
通常の軟性コルセットに比して、その運動制限は強度が高いものとなります。
→腰椎圧迫骨折のリハビリテーション方法や禁忌事項とは?
→腰椎圧迫骨折の好発部位は?再発のリスクはどのくらい?
胸椎圧迫骨折のコルセットの期間は?
胸椎圧迫骨折に限らず、腰椎圧迫骨折も含めて、
脊椎圧迫骨折後のコルセットの時期はある程度決まっています。
それは、脊椎の骨癒合の期間と合致するためです。
脊椎の骨癒合の目安は、おおよそ8週〜12週です。
※骨の強度による個人差があるので必ず医師に確認が必要です。
そのため、コルセットの装着期間のおおよその目安時期は3ヶ月と言われています。
→腰椎圧迫骨折におけるリハビリテーションの評価項目は?
→腰椎圧迫骨折の手術療法とは?その種類は?
まとめ
今回は、胸椎圧迫骨折と腰椎圧迫骨折の違いや、コルセットの期間を解説しました。
病院でコルセットを処方してもらったものの、
「一体いつまでつけなきゃならないんだろう…」
とお悩みの方は多いのではないでしょうか!?
ただし、おおよその目安は3ヶ月ですが、必ず担当の医師に確認し、画像所見などから適切なコルセットOFFの時期を伺うようにしましょう。
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