徒手筋力テスト(MMT)の足関節背屈は背臥位で良い?第10版からの変更点は?
徒手筋力テスト(以下MMT)は、
現在でも臨床の現場において最も利用される筋力評価ツールです。
(正確には関節で回転するモーメントを評価)
これは、理学療法士や作業療法士が検査することが多いですが、
臨床現場では医師や看護師も行うなど、
医療従事者における患者の筋力評価の共通のツールとも言えます。
そんなMMTですが、
新・徒手筋力検査法第10版ではいつくかの変更点が見られます。
約6年ぶりの今回の改訂ではどのような点が変更になったのでしょうか?
足関節背屈筋力の測定肢位が背臥位に!
足関節の背屈と足の内がえし(以下:足関節背屈)は、
前脛骨筋が主動作筋となる運動です。
これまでは、3−5のテストは抗重力位である座位で行うことが標準でした。
しかしながら、術直後の安静時や、何らかの理由で離床が行えない場合、
座位で測定することが困難であることが多々見られました。
特に看護師などが術後の腓骨神経麻痺などを評価する際も、
座位が取れないので臥位で測定せざるおえないことが一般的でした。
そんな足関節背屈の測定が、
第10版から除重力位である背臥位となりました。
これは、臨床的には非常に大きな変更といえます。
その他の変更点とは?
第10版の改訂ではその他にもいくつかの変更点があります。
・抑止テストからブレイクテスト(break test)へ名称の変更
これは単純に名称の変更で抵抗の方法に違いはありません
・抵抗自動運動テストからアクティブレジスタンステスト(active resistance test)へ名称の変更
これは単純に名称の変更で抵抗の方法に違いはありません
・メイクテスト(make test)の新設
メイクテストとは、対象者の力に対抗するが、打ち負かさない程度(ブレイクしない程度)の抵抗を加える方法です
・プローンプランクテストの新設
コア(体幹)の筋力を評価する方法として新設されたテストです
段階5:120秒保持
段階4:90秒未満
段階3:プローンプランク肢位の保持ができない
・前腕の回内・回外の段階2の肢位が変更
前腕の回内・回外の段階2の肢位が変更肘関節伸展から肘関節屈曲90°となりました
・ハンドヘルドダイナモメーターの新設
ハンドヘルドダイナモメーターの章が設けられ、筋力の平均値なども記載されています
まとめ
約6年ぶりの改訂となった新・徒手筋力検査法第10版では、
これまでになく大きな変更点がありました。
これから理学療法士・作業療法士となる学生はすでにこの基準にて学習しているので、
現場の医療従事者も情報をアップデートしなければなりません。
まだまだ改訂の余地があると思われる検査ではあるので、
今後も更なる改良に期待したいですね。
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