人工関節手術後の”痛み”、湿布って効果があるの?

    
Pocket

スライド18

 

「痛いから湿布を貼ってます」

痛みに対して、兎にも角にも“湿布”で対応!

こんな人って、いっぱいいますよね。

 

さて、

湿布はどのような痛みにも万能なのでしょうか!?

人工関節後の痛みなどにも効果があるのでしょうか!?

 

スポンサーリンク

 

「湿布」は、

“液体の薬品を布に塗布されている医薬品”です。

定番のものとして、

白い湿布や茶色い湿布をご存知の方は多いのではないでしょうか。

 

 

湿布は大きく大別すると、

・温湿布
・冷湿布

に分類されます。

それぞれ、異なる効果がありますが、

 

 

そもそも本来の目的は、

「消炎鎮痛(炎症を抑えて、疼痛を治める)」にあります。

 

 

しかしながら、痛みに対して何が何でも「湿布」を貼る

そんな人はたくさんいると思います。

もちろんそれがいけないわけではないですが、本当に効果があるのでしょうか!?

特に今回は、人工関節手術後の疼痛に関する”湿布の効果”について解説します。

「湿布」とは?

そもそも「湿布」とはどんなものなのでしょうか!?

 

冷たいもの、温かいもの。

茶色いもの、白いもの。

 

たくさんあると思います。

それぞれに異なった効果や使用方法があります。

 

 

 

「湿布」の効果とは?

湿布の効果には、

「消炎鎮痛効果」が挙げられます。

 

打ち身や捻挫などに対して、

湿布に塗布されている薬用成分が効率的に皮下から浸透し、

上記の効果を発揮します。

 

 

 

「温湿布」と「冷湿布」の違いは?

湿布の種類には、大きく分けて、

「温湿布」

「冷湿布」

があります。

 

 

「温湿布」

主に血流改善を目的とするものです。

慢性の疼痛や腫脹が寛解した後の炎症性疾患などに適応となります。

暖かく感じる成分は、“カプサイシン”がふくまれているからです。

 

 

「冷湿布」

主に炎症や疼痛の軽減を目的とするものです。

ひんやりと感じますが、実は冷却効果はありません。

 

“スー”とする感じは、“メントール”によるものです。

実際の皮膚温の低下はごくわずかなため、

炎症早期の冷却には湿布ではなく氷嚢などが適しています。

 

 

いずれの湿布の場合にも、

実際に体温を上下動させるほどの効果はなく、

皮膚温のわずかな変化を引き起こす程度です。

 

 

 

「白い湿布」と「茶色い湿布」の違いは?

みなさんがよくご存知の湿布には、

「白い湿布」

「茶色い湿布」

があると思います。

 

 

「白い湿布」

764bd8321a5abedcebebe496867adc91_s

茶色い湿布は、“パップ剤”と言われます。

少し厚みがあってグニュグニュしており、貼るとひんやりと気持ちが良いですね。

ただし、前述のように冷却効果はなく、

メントールの効果によって”スー”としているのです。

 

 

「茶色い湿布」

6426125d87ee763ac1e25c30f01e634e_s

茶色い湿布は、“テープ剤”と言われます。

茶色くて、皮膚色と同化するために目立ちづらく、

また伸縮性に富んでいるため肘などの大きな可動性を有する関節にも有効です。

 

 

 

人工関節後の”痛み”に湿布の効果はある?

人工関節などの手術後の疼痛は主に、

 

“炎症症状による疼痛”

“筋スパズムによる疼痛”

が存在します。

術後に生じる炎症の4兆候とは?その期間は?

 

 

“炎症症状による疼痛”の場合、

冷湿布などを貼布することで、鎮痛効果が認められます。

ただし、冷却効果は無いために、

氷嚢などを使用しながら炎症症状の緩和を図らなければ、根本的な疼痛の原因は解決しません。

 

 

“筋スパズムによる疼痛”の場合、

通常であれば、温湿布が有効と考えられます。

ただし、術後早期の炎症所見を認める場合、温熱は炎症の助長を招きます。

炎症が治まり、ある程度の期間が経過した場合には、有効と考えられます。

 

 

いずれの場合にも注意が必要なのは、

傷口の上から直接貼ったりしないことです。

手術後は感染のリスクなどもあることから注意が必要です。

RICE(ライス)処置とは?その目的や効果は?

 

 

 

まとめ

今回は、人工関節手術後の疼痛に関する“湿布の効果”について解説しました。

湿布は万能ではありません。

根本原因を解消するのではないので、痛みを引き起こす根本原因を解消することが必要です。

 

また、原因に対する湿布の効果が合致しなければ効果を奏さないだけでなく、

かぶれる、炎症を助長するなどの副作用が生じることもあるので、

使用上の注意、または処方した医師のアドバイスなどをきちんと守りましょう。


スポンサーリンク
Pocket