上腕骨近位端骨折の重症度分類「Neer分類」とは?

    
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「上腕骨近位端骨折」は、

高齢者に多発する外傷性の骨折です。

多くは転倒などの軽微な外傷により受傷します。

治療方法の選択には、

・保存療法
・手術療法

がありますが、これらは、

重症度に応じて選択されます。

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「上腕骨近位端骨折」は、

転んで手をついたり、

肩から直接床に転倒した場合などに生じます。

このため、多くは60歳以上の高齢者に好発する外傷性の骨折です。

上腕骨近位端(外科頸)骨折とは?原因や症状、治療方法は?

 

 

上記のような転倒に起因する骨折であるが、

多くの場合、「骨粗鬆症」などの基礎疾患を有しています。

「上腕骨近位端骨折」に加えて、

大腿骨頸部骨折・橈骨遠位端骨折・脊椎圧迫骨折は、

高齢者に頻発する【四大骨折】としても知られています。

高齢者の骨折の特徴は?好発する4大骨折部位とは?

 

 

「上腕骨近位端骨折」の治療方法は、

・保存療法
・手術療法

に大別されますが、およそ8割は転位のない安定型で、

保存療法においても予後は良好とされています。

一方で、関節内に及ぶ骨折や転位が激しい場合には、

手術療法が適応となります。

 

 

これらの治療法の選択は、

骨折の重症度によって判断され、

最も多く用いられている判定法は、

【Neer分類】と呼ばれています。

そこで今回は、上腕骨近位端骨折の重症度分類について解説します。

上腕骨近位端骨折の重症度分類とは?

上腕骨近位端骨折の重症度分類は、

主に骨折の評価や治療方法の選択の上で重要となります。

現在、主流となっているのは、以下の二つです。

・Neer分類
・AO分類

上腕骨近位端骨折に対する手術療法やリハビリテーションとは?

 

 

Neer分類

Neer分類は、現在世界で最も用いられている分類法です。

治療方針の決定に有効で、骨頭への血流の予後などに与える因子を判定しやすいのです。

 

「骨頭」「大結節」「小結節」「骨幹」

の4つの部位の転位の有無と、組み合わせのによる分類です。

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この4つのSegmentは、相互に1cm以上離開するか、45°以上回旋転位した場合に転位骨片と認められます。

 

【1-part骨折】

骨片が転位していない場合であり、
比較的予後は良好で、保存療法が適応となる場合が多い。

 

【2/3-part骨折】

1つ/2つの骨片が転位している場合であり、血行障害や骨頭壊死などの合併症のリスクがあります。

プレート固定術や髄内釘固定術などの手術療法が選択されやすいです。

 

【4-part骨折】

3つの骨片が転位している場合であり、骨頭が粉砕上で整復が困難です。

そのため、人工骨頭置換術が適応となります。

 

 

 

AO分類

AO分類は、Neer分類と同様に、解剖学的な分類に基づいているものの、

より骨頭の血流状態や骨頭壊死の可能性を予測するのに特化した分類法です。

 

その分類法は、

まずA,B,Cの3グループに分けられます。

さらにA1,A2,A3・B1,B2,B3・C1,C2,C3に細分類されます。

 

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【グループA】

関節外骨折で、骨折線は単純で単独である

 

【グループB】

関節外骨折で、骨折線は2ヶ所に認める

 

【グループC】

関節内骨折であり、大結節または小結節の骨折との合併である

 

 

 

 

まとめ

今回は、上腕骨近位端骨折の重症度分類について解説しました。

このような分類法は、比較的最近から用いられているそうです。

これによって、手術かどうか、またはどのような手術かが決まるので、非常に重要な分類法と言えそうです。


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