オスグッド・シュラッター病に対するリハビリテーションとは?
「オスグッド・シュラッター病」は、
成長期に好発するスポーツ関連の疾患です。
スポーツ復帰など目指す場合、
安静とともに、適切なリハビリテーションが重要となります。
「オスグッド・シュラッター病」とは、
成長期に、主にスポーツなどの繰り返される運動を契機に、
“大腿四頭筋の牽引力によって、付着部である脛骨粗面が炎症をきたす疾患”です。
身体の成長に伴い、骨が急激に延長するのに対して、
筋肉などの軟部組織の成長が追いつかず、
「相対的な短縮」状態に陥ることで、
脛骨に対して過剰な負荷が加わるのです。
オスグッド・シュラッター病の原因や症状はこちら
→成長期に好発「オスグッド・シュラッター病」の原因や症状、治療法とは?
その治療法の多くは、
「保存療法」です。
主には理学療法士などの専門家による
“リハビリテーション”によって競技復帰などを目指します。
そこで今回は、オスグッド・シュラッター病に対するリハビリテーションについて解説します。
オスグッド・シュラッター病のリハビリテーションとは?
オスグッド・シュラッター病に対するリハビリテーションは、
具体的に以下のような方法があります。
・安静指導
・サポーターなどの装具療法
・大腿四頭筋のストレッチ
・足関節背屈可動域の改善
・動作修正
安静指導
安静指導とは、文字通り“休む”ことです。
繰り返される脛骨への負荷こそが、オスグッド・シュラッター病の引き金となります。
いわばオーバーユース(使いすぎ)なんですね。
特に成長期は、部活動などにのめり込んでいる場合、
自分をセーブすることが難しく、完治せずに競技復帰するために再発を繰り返します。
安静の意味を理解することも立派なリハビリテーションの一つです。
サポーターなどの装具療法
サポーターなどの装具療法は、
疾患そのものを完治させるものではありません。
しかしながら、疼痛の緩和に対しては効果的な面があります。
その原理としては、膝蓋骨(お皿)のすぐ下の部分の膝蓋腱を圧迫することで、
筋肉の緩みが得られ、過剰な脛骨粗面への牽引力を和らげるのです。
万人に有効なわけではないですが、
どうしても出場しなければならない試合などでは有効な手段となります。
大腿四頭筋のストレッチ
根本的な治療手段としては有効な方法です。
そもそも、大腿四頭筋の短縮や硬化が脛骨粗面を過剰に牽引するからです。
詳しい原因はこちらを参照
→成長期に好発「オスグッド・シュラッター病」の原因や症状、治療法とは?
具体的な方法としては、
膝を曲げて足部をお尻の下に置きます。
そのまま、上半身を後方に倒し、仰向けで寝るような姿勢をとることで、
大腿の前面(大腿四頭筋)が伸長されます。
自宅でも簡単に行える方法です。
足関節背屈可動域の改善や動作指導
オスグッド・シュラッター病の原因は、
大腿四頭筋の牽引力です。
そのため、持続的にこの筋の緊張が高い状態に陥っていると、
より受傷のリスクが高いと言えます。
具体的には、立位で立った時に、
上半身の重心が膝よりも過度に後方にある場合です。
このような場合、後方へ身体が倒れないために持続的に大腿四頭筋が緊張しています。
そのような状態に陥る原因の一つに、
足関節の背屈制限があります。
また、各々の競技に特有の動作の中で、
そのような姿勢を取りやすい場面を有していることもあります。
そのため、足関節の背屈可動域の向上や、
動作指導を行うことで、予防も含めた改善を図ります。
まとめ
今回は、オスグッド・シュラッター病に対するリハビリテーションについて解説しました。
慢性化することで、骨の小骨片が遊離し、
「手術療法」に発展するケースもあります。
きちんと完治するまでは、安静を守るとともに必要なリハビリテーションに励むことが重要です。
オーバーユースで生じる疾患はこちら
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