「(脊椎)側弯症」とは?原因や症状、その治療法とは?

    
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脊柱とは、いわゆる“背骨”のことであり、

触ると分かるように、正面から見るとほぼ真っすぐに、

横から見ると前後に彎曲しています。

 

これを“生理的弯曲”と言い、

正常であれば“S字カーブ”を描きます。

 

この脊柱が異常のほどに横に弯曲することを

「(脊柱)側弯症」と言います。

 

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「側弯症」とは、

簡単に言うと、脊柱が側方に弯曲する疾患です。

(後方に過度に弯曲した場合を後弯症と言います)

 

 

この際には、単純な側方への弯曲のみならず、

一つ一つの脊柱が回旋し、捻じれも加わっています。

この弯曲の程度は、加齢によって健常な人でも生じることがありますが、

20°以上の強い弯曲の場合には、本疾患を疑います。

 

 

後述するように様々な原因が特定されていますが、

中には原因が特定できていないものもあるのです。

そのような場合を

「突発性側弯症」と言います。

 

 

健康への影響のみならず、

美容や容姿にも変化をきたす疾患です。

そこで今回は、「(脊椎)側弯症」の原因や症状、その治療法について解説します。

「側弯症」とは?

脊椎とは、

7つの頚椎、12の胸椎、5つの腰椎、仙椎に分類されます。

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正面から見ると、脊柱は真っすぐに伸びていますが、

横から見ると、

頚椎は前方へ、胸椎は後方へ、腰椎は前方へ

それぞれ弯曲しているのが分かります。

これを“生理的弯曲”と言います。

 

「側弯症」では、この弯曲が異常を呈し、

特に脊柱が側方へ弯曲していくことを言います。

 

 

 

「側弯症」の原因は?

「側弯症」の原因には、

特定できるものと、特定できないものに分かれ、

原因が特定できないものを“突発性側弯症”と言います。

 

原因が特定できるものは、

【機能的側弯症】【構築生側弯症】に分類されます。

 

 

【機能的側弯症】は、

外的要因による一時的なもので、要因を取り除くことで改善が可能な側弯症です。

・不良姿勢によるもの
・腰椎椎間板ヘルニアなどによる疼痛の回避によるもの
・脚長差などに起因する骨盤の傾斜などによるもの

が挙げられます。

 

 

一方で、【構築生側弯症】は、

脊椎自体に病変があり、姿勢などを変化させても矯正ができない真の側弯症です。

・先天性側弯症
・神経・筋性側弯症
・神経線維腫症による側弯症
・間葉系疾患による側弯症
・外傷性側弯症
・その他の原因による側弯

が挙げられます。

 

 

原因が特定できない”突発性側弯症”は、

発症年齢によって以下のように区別されています。

・乳児期側弯症(0歳~3歳に発症)
・学童期側弯症(4歳~10歳に発症)
・思春期側弯症(10歳以降に発症)

この中でも、特に思春期側弯症が多いとされており、

特に女子の発症率が男児の5〜7倍と言われています。

 

 

 

「側弯症」の症状は?

「側弯症」の症状は、文字どおり脊柱の側弯ですが、

疼痛などが生じることがなく、発見が遅れることがあります。

 

側弯が進行すると、

脊柱だけでなく、肋骨の変形によって、左右の乳房が不動になったり、

背中が出っ張るなどの容姿の変化が生じます。

 

最終的に、肺などの臓器の圧迫が生じるようになると、

肺活量の低下などの症状を認め、

平均的な寿命も短縮すると言われています。

 

 

 

「側弯症」の治療法は?

「側弯症」に対する治療方法は、

程度の差にもよりますが、

“装具療法”が適応となります。

 

特に成長期でさらなる側弯が予想される場合に適応となります。

(加えて、側弯が25°以上の場合

 

装具療法の目的は、側弯の矯正であり、成長に伴う変形を防止します。

必ずしも真っすぐに修正できるものではありませんが、

進行の抑制に対して、最も効果的であると言われています。

 

このような装具療法でも功を奏さない高度な側弯症の場合、

将来的な変形悪化の予防を含めて“手術療法”が検討されます。

 

一般的で最も行なわれている方法は、

“後方矯正固定術”であり、スクリューなどの金属を用いて、

骨を固定する方法です。

 

「側弯症」に対するリハビリテーションはこちら
「側弯症」の治療方法とは?リハビリテーションは効果がある?

 

 

 

まとめ

今回は、「側弯症」の原因や症状、その治療法について解説しました。

すべての側弯症が必ずしも高度な変形や後遺症を残すとは限りません。

 

しかしながら、真の側弯症を有する場合、自然治癒することはないので、

気になる場合は必ず整形外科などの専門医を受診しましょう。


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