「(突発性)大腿骨内顆骨壊死症」とは?原因や症状、治療法は?
「体重をかけると膝が痛い」
歳を重ねると、
このような症状を呈す人はたくさんいることでしょう。
大抵の場合は、
長い時間をかけて徐々に痛みが増してきますが、
突然(突発的)に生じた場合は、
「大腿骨内顆骨壊死症」の可能性があります。
「大腿骨内顆骨壊死症」とは、
“大腿骨の内側(または外側)に存在する顆部(かぶ)の骨壊死”です。
大腿骨の遠位に両側に隆起している部分で、
膝関節を構成しています。
“大量のステロイド”の投与が発症に関与していることが明らかとなっていますが、
明らかな誘因なく発症する場合もあり、
これを「突発性大腿骨内顆骨壊死症」と言います。
この部分の壊死は、
起立や立位、歩行などの荷重時に疼痛が生じるため、
日常生活動作が困難となってしまいます。
治療方法は、
杖の使用などの動作指導や、足底板など装具療法がありますが、
症状が重度の場合には、“人工関節置換術”が適応となります。
今回は、「(突発性)大腿骨内顆骨壊死症」の原因や症状、治療法を解説します。
「大腿骨内顆骨壊死症」とは?
大腿骨の顆部は、
内外側に存在する部分で、
内側に生じた骨壊死を、「大腿骨内顆骨壊死症」と言います。
突発性の大腿骨内顆骨壊死症は、
60歳以上の女性に多く発症することが知られています。
「大腿骨内顆骨壊死症」の原因は?
大腿骨内顆骨壊死症の原因は、
膠原病や悪性腫瘍などに対して使用される、
“大量のステロイド”であるとされています。
このように何らかの原因がある場合もあれば、
何の誘因もなく発症する突発性大腿骨内顆骨壊死症もあります。
この場合は、原因が不明でありますが、
高齢で骨粗鬆症などの有していることで、
骨の脆弱性が存在することが関与しているのではないかと推察されています。
注意が必要な【骨粗鬆症】の情報はこちら
→高齢者に頻発「骨粗鬆症」の原因は?ホルモンが関係?
→骨粗鬆症の検査方法とは?その診断基準とは?
「大腿骨内顆骨壊死症」の症状は?
突発性の大腿骨内顆骨壊死症の症状は、
突然の膝関節の“疼痛”です。
立位や歩行などの荷重時はもちろんのこと、
それ以外の時でも疼痛が生じるようになります。
時間経過とともに、徐々に和らいでいくこともありますが、
軟骨の変形とともに、徐々にO脚などの変形が進行し、
“変形性膝関節症”などに発展することもあります。
【変形性膝関節症】の情報はこちら
→変形性膝関節症(膝OA)とは?治る疾患なの?リハビリテーションの内容は?
→変形性膝関節症の手術療法「TKA」とは?他にも手術の種類があるの?
「大腿骨内顆骨壊死症」の治療法は?
大腿骨内顆骨壊死症の治療法は、
・保存療法
・手術療法
に大別されます。
保存療法の場合、
リハビリテーションによる筋力強化や、杖の使用促進などの生活指導、
さらには、足底板などの装具療法が適応されます。
いわば、患部への力学的負担を軽減させ、進行を遅らせるということです。
一方で手術療法の場合、
・高位脛骨骨切り術
・人工膝関節全置換術(TKA)
・人工膝関節内側置換術(UKA)
などの方法が適応となります。
可能であれば、高位脛骨骨切り術や、
UKAのように、患部のみの除去や置換が望ましいとされます。
しかしながら重度の場合には、
TKAのような、膝関節自体を人工物に入れ替える方法が必要なのです。
→「大腿骨内顆骨壊死」の手術療法とは?リハビリは必要?
→UKAってどんな手術?TKAとは違うの?そのメリットは?
まとめ
今回は、「(突発性)大腿骨内顆骨壊死症」の原因や症状、治療法を解説しました。
突然の発症のため、
“ちょっと我慢すれば治るだろう”と考えるかもしれませんが、
変形が助長されないうちに受診し、治療を開始することが望ましいです。
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