「距骨骨折」とは?原因や症状、治療とは?全治はどれくらい?
“距骨”はあまり聞きなれない骨の名称かもしれません。
足の付け根の部分に存在し、
足首の運動を円滑に行うために機能します。
しかしながらひとたび骨折を起こすと、
骨癒合が長期化する場合があります。
「距骨骨折」は、
足首の付け根の部分に存在する“距骨”の骨折です。
全骨折の中でも、
約0.1〜0.6%程度の割合である非常に稀な骨折です。
受傷原因の多くは交通事故や、転倒などの外傷によるものです。
そのため、あらゆる年齢層の人に受傷の可能性があります。
距骨は、その解剖学的な特徴から、
血流が乏しく骨壊死が生じやすい部位です。
そのため、ひとたび骨折を起こすと、場合によっては年単位での治療も余儀なくされる外傷なんです。
そこで今回は、比較的稀ではありますが、一度生じると厄介な「距骨骨折」の原因や症状、その治療方法などを解説します。
距骨の解剖学的特徴は?
“距骨”とは、足首の付け根の部分に存在する骨です。
周囲を脛骨、腓骨、踵骨、舟状骨に囲まれており、足首の大きな可動性を得るために作用します。
実に全体の60%〜80%が関節面に覆われています。
そのため、筋の付着はなく、血流も非常に乏しい部位です。
距骨骨折の原因は?
距骨骨折の原因の多くは、
交通事故や転倒などによる外力によるものです。
運動学的には、
強力な“背屈”が強制されることで生じます。
スノーボードやダンスなどのスポーツにおいて生じることもあります。
距骨骨折の症状は?
距骨骨折の原因とは、
患部の“疼痛”や“腫脹”などの炎症症状です。
当然ながら受傷後より歩行することは困難であり、
無理に荷重をかけることは変形などを招く恐れもあります。
距骨骨折の治療は?
距骨骨折の治療法は、
・保存療法
・手術療法
に大別されます。
保存療法
保存療法では、
まず骨折部位の骨転位を整復する必要があります。
(距骨は計7つの関節面を持ち、整復が難しい骨として知られています)
その後は、シーネ、またはギプス固定を行い骨癒合を待ちます。
当然ながらその期間は、“免荷”が必要であり、
患部以外のリハビリテーションによって、全身機能を保つ必要があります。
※荷重時期などを誤ると、陥凹して足関節の重篤な障害に発展することがあるため注意が必要です。
手術療法
手術療法は、
骨片が多数存在したり、保存療法での整復が困難な場合に適応となります。
手術療法では、
金属のピンを用いて骨を固定し、安定させます。
保存療法と同様に荷重制限が必要であり、
“免荷”から開始し、部分荷重を経て全荷重へと移行します。
全治はどれくらい?
距骨骨折は、前述したように荷重時期を誤ると陥凹して足関節の重篤な障害に発展することがあります。
また、血行不良からの無腐性壊死などによって治療が遷延化することもあり、
難しい骨折の一つと言えます。
治療経過が順調であったとしても、
全荷重までには少なくと3ヶ月程度を有すため、日常生活復帰も最短でもそれくらいの日数がかかると言えるでしょう。
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