「腰椎横突起骨折」とは?原因や症状、治療法やリハビリテーション方法とは?
「腰椎横突起骨折」
あまり耳にしない病名と思いますが、
過去にはサッカーブラジル代表“ネイマール選手”が受傷したことでも話題になった外傷です。
腰椎に生じる骨折といえば、
代表的な疾患に「腰椎圧迫骨折」があります。
高齢社会を迎える日本では大変多くの受傷者がいます。
この腰椎圧迫骨折とは、
腰椎の中でも中心の“椎体”という部分の骨折です。
一方で、
「腰椎横突起骨折」は、
腰椎の中でも椎体から横に飛び出した突起である横突起の骨折です。
(詳細は後述します)
あまり聞きなれない疾患ではありますが、
過去には、サッカーブラジル代表の“ネイマール選手”が、
2014年のW杯で試合中に受傷したことで話題となりました。
敵との接触の直後より苦痛に顔を歪め、立ち上がれなかった姿が記憶に新しいです。
そんな「腰椎横突起骨折」の原因や症状、治療法やリハビリテーションについて解説します。
受傷者の多い圧迫骨折の記事はこちら
→腰椎圧迫骨折とは?原因や症状、治療方針は?
→腰椎圧迫骨折のリハビリテーション方法や禁忌事項とは?
Contents
「腰椎横突起骨折」とは?
腰椎は、脊柱の中でも下位に存在し、
5つの腰椎が存在します。
横突起は、
椎体を中心として左右に飛び出している突起です。
この部位には、
下肢と体幹をつなぐ重要な筋である“大腰筋”が付着する場所でもあります。
この部位の損傷を「腰椎横突起骨折」と言います。
「腰椎横突起骨折」の原因とは?
「腰椎横突起骨折」は、
腰椎圧迫骨折のように軽微な外傷や、自然に生じるわけではありません。
多くは、接触などを伴うスポーツや、
乗り物などによる交通事故や転落などです。
いわば、強い衝撃が直接的に腰に加わった際に生じます。
ただ、脊髄とは少し距離が離れているため、神経症状などを合併することは少ないですが、
受傷起点が強い衝撃であるため内臓などの損傷などまで合併している例もあります。
「腰椎横突起骨折」の症状とは?
「腰椎横突起骨折」の症状は、
非常に強い疼痛です。
患部の圧痛や運動時痛が所見として出現します。
特に腰の運動が要求される、
起き上がり動作などがかなり大変になります。
(ネイマールが起き上がれなかったのもそのためです)
「腰椎横突起骨折」の治療とは?
「腰椎横突起骨折」の治療方法は、
保存療法による患部の安静です。
当然ながら、投薬などで疼痛のコントロールを行いますが、
治癒を促進するものではありません。
また、コルセットなど、腹圧を高めて腰部の安定を保証することで、
余分な腰部周囲の筋活動を抑制できるので、必ず装着をします。
「腰椎横突起骨折」のリハビリテーションとは?
「リハビリをすると腰が良くなる」
この疾患に関してはそんなことはありません!
リハビリテーションの目的は、
腰部の安静期間の間に他の部位が廃用性に筋力低下などをしないことを防ぐと同時に、
疼痛によって防御性の筋収縮などを余儀なくされている筋の緊張のコントロールを行うことです。
最悪の場合、骨癒合が得られなくても支障はない場合がありますが、
筋肉の過緊張や、腰椎を安定させるための代償的な過活動によって、慢性痛などに発展する可能性もあるため、注意が必要です。
まとめ
「腰椎横突起骨折」の原因や症状、治療法やリハビリテーションについて解説しました。
多くの場合は、安静による骨癒合を待ちながら、
必要な筋力の回復や動作習得を行えれば、2〜3ヶ月程度での競技復帰も可能です。
腰を強打して疼痛が持続する場合は何らかの外傷を伴っている可能性があります。
できるだけ早期に整形外科などを受診しましょう。
受傷者の多い圧迫骨折の記事はこちら
→腰椎圧迫骨折とは?原因や症状、治療方針は?
→腰椎圧迫骨折の好発部位は?再発のリスクはどのくらい?
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